愛される人はなぜ神社に行くのか?
八木 龍平(2024/1/25)

愛される人はなぜ神社に行くのか?

  • 著者:八木 龍平
  • 出版:講談社
  • 発行:2024年01月25日
  • 価格:1400円+税
  • 頁数:224ページ
  • 評者:稲村 響子
  • 編集:スピりんく 編集部

スピリチュアルブログ版ダイジェスト

本書は、リュウ先生が「恋愛」をメインに、神社仏閣にまつわるお話を多方面から教えてくれる大変読みやすい書物です。参拝のマナーから神話に関することまで、優しい語り口で書かれています。神社仏閣が初心者の方もぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?

《著者「八木龍平」氏について》
本書の著者である「八木龍平」氏は1975年、京都市生まれです。社会心理学者にして、神社の案内人です。大学卒業後、NTTコムウェアのシステムエンジニアを経て退職し、大学院に進学します。富士通研究所シニアリサーチャー、北陸先端科学技術大学院大学・客員准教授、青山学院大学非常勤講師を歴任します。現在は武蔵野学院大学・兼任講師として「情報リテラシー」を教えるかたわら、ブログやセミナーにて、“リュウ博士”と呼ばれ活躍中です。

《「愛の法則」》
男性が無意識に持つ、「愛の法則」があると著者はいいます。愛されていると実感している男性は、まず裏切らないし、浮気しないのだそうです。愛と承認をくれた女性たちに、立派な男性ならば忠誠と貢献でお返しします。

《参拝するとすぐに変化する》
著者によると、すごいと評判の神社参拝や特殊な祈祷などは、すぐに変化が出るのだそうです。人からうれしい連絡が来るなど、現実が動く変化は、早ければ参拝・祈祷中に、だいたいは3日以内に起こるでしょう。

《自己否定を解く鍵》
自己否定を解く鍵は、過去のポジティブな経験だと著者はいいます。自分の人生を振り返って、「良い経験をしたな」と思えることを振り返るのだそうです。そうすると、普段は意識していない記憶を探るので、自身の潜在意識やその奥底にある集合的無意識にまでアクセスすることがあります。すると、自己否定が弱まり、悩みが消え自己肯定感が高まります。

《神社仏閣の効果》
○人間一般への信頼が増す
○与え合いの気持ちが高まる(堅い用語で「互恵性」)
○周りが良い人だと感じる
=「他者肯定感(他者のあり方を積極的に認められる感覚・感情)」が高まります。

《「幸せの原体験」を思い出す》
どこの社寺に行けばいいか? その答えはあなた自身が知っていると著者はいいます。
あなたの人生の中で、最も充実して幸せだった時はいつでしょうか? あくまであなたの中で最も良かった時とのことです。その時は誰といて、何をして、どこにいて、どんな風に過ごしていたでしょうか。人の将来ビジョンは、過去のあの日々のような体験を再びしたいというのがよくあるのだそうです。「幸せの原体験」を再び体験できそうな社寺はどこか、という視点で決めてみましょう。

《参拝法にマナーあれどルールなし》
著者によると、神仏に対するマナーは、神仏への敬意と感謝、そして素直な心での参拝だといいます。これらのことは、「特に教える必要もなく、誰でも参拝すれば自然とそうなります」とのことです。

《神社とお寺の違い》
神社のパワースポットは神社のある「場」であり、お寺のパワースポットはそこで修行する僧侶(人)だと著者はいいます。神社は、神様がそこに降りてこられるような、清浄な場をつくることが肝心要だそうです。一方、お寺はお釈迦さまの悟った知恵を伝える場所です。肝心要は、教えの内容と、何より教えを身につけ実践する僧侶(人)とのことです。

目次

  • プロローグ
  • 第1章 神仏も応援する! 愛する人になる非常識な恋愛法則
  • 第2章 知らなきゃもったいない! 恋活・婚活・仕事にも役立つ愛の参拝術
  • 第3章 恋も仕事もうまくいく 最高の神仏はここにいる!
  • 第4章 教えて、リュウ博士。神仏参拝Q&A
  • エピローグ

一言コメント

最初から最後まで大変面白く読めたので、神社仏閣にあまり詳しくなくても恋愛に関する願いや悩みがある方にとてもおすすめの一冊です。何より、著者の話ひとつひとつが楽しく、心に残りました。良縁を願う神社から縁切りを願う神社まで、神社の紹介もたくさん載っています。

注目の文章ピックアップ

・みんな愛される価値があります。だからこそ、自然に任せると、誰かに自分ひとりだけ愛され続けるのは、ありえません。「愛されたい・選ばれたい」の意識でいると、浮気されるのはよくあること。自分だけでなく、他の人も同時に愛されたとしても、普通のことです。

・好きになることは誰でもできますが、愛することはかなりの成熟が必要です。

・自分が嫌いだと、「~したい」は全て結局、「誰かに~してもらいたい」になります。誰かのために何かしているようでも、結局は誰かに何かしてもらいたい。根っこの思いは誰かに与えてもらう期待でいっぱいで、愛する能力が育ちません。

・神社に対するマナーは、敬意と感謝です。敬意をあらわす動作がお辞儀で、感謝をあらわす動作が合掌です。

・神社の正体は、「潜在意識の奥底にある私」をさらに超えた先にある、他人とも共有する無意識です。ユング心理学の用語で、集合的無意識といいます。集合的無意識の領域にアクセスすると、自分個人の悩みや迷いが、なぜか消える謎現象が起こります。これでいい、という確信に達します。

・「ここに住みたい」「ここで働きたい」「ここから仕事を依頼されたい」もし未来にご縁を得たい土地があるなら、そこの神仏に挨拶されるとよいです。

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愛される人はなぜ神社に行くのか? 八木龍平  講談社

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