いちばん大事な生き方は、伊勢神宮が教えてくれる
吉川 竜実(2018/2/28)

 

いちばん大事な生き方は、伊勢神宮が教えてくれる

  • 著者:吉川 竜実
  • 出版:株式会社サンマーク出版
  • 発行:2020年11月10日
  • 価格:1,500円+税
  • 頁数:216ページ
  • 評者:井口 まどか

スピリチュアルブログ版ダイジェスト

伊勢神宮は、日本全国に80,000社以上ある神社の中心的存在です。

創祀以来、毎日2回、1日も欠かすことなく、国の平和と国民の幸せなどを願う祈りが捧げられています。

古くから日本人はお伊勢参りにあこがれてきました。現代になっても人々の心を惹きつけ、信仰を集める生きた聖地として崇敬されているのです。

《著者「吉川 竜実(よしかわ たつみ)」氏について》

本書の著者である吉川竜実(よしかわ・たつみ)氏は、1989年(平成元年)に伊勢神宮に奉職し、2020年(令和2年)現在も禰宜として神事にあたっています。

また、神宮徴古館・農業館およびせんぐう館の館長も兼任しています。

伊勢神宮に30年以上奉職した筆者が、自身の経験をもとに学び取った神道の知恵、および人生に生かす方法を余すところなく伝授している、必見の内容です。

《大好きなおばあちゃんに会いに行く感覚で参拝する》

正宮に天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りし、2,000年の歴史を誇る伊勢神宮にお参りするとなると、緊張することもあるでしょう。

参拝の決まりごとや作法をしっかり守ろうという気持ちになるのも当然です。

しかし、作法をまちがえることを不安に思って緊張したり、細かいことにとらわれすぎて力んでしまったり、などは本末転倒であると筆者はいいます。

もし参拝の手順や作法をまちがえたとしても、神さまに叱られることはないからです。

参拝をするときは、大好きな田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに会いに行くような感じでよいと筆者は述べています。

おじいちゃんやおばあちゃんは、孫の失敗を責めることはせず、ほめてくれたり、励ましてくれたりするのがほとんどでしょう。

神さまへの敬意さえ忘れなければ、細かな作法にこだわることはありません。

最も大切なことは、心をゆるめ、リラックスした気持ちで参拝することだと筆者は伝えています。

《自分の中にも神は宿っている》

神道では、ありとあらゆるものに神が宿ると考えます。すなわち、私たち自身の中にも神が宿っていることになります。

たとえば、美しい自然を見て感動し、神さまへの感謝と畏敬の念がわくのは、自分の中に宿る神と共鳴するからだと筆者はいいます。

自分の中にも神が宿る、これはすなわち、人はありのままでパーフェクトな存在であるととらえられ、神道の考え方そのものを表しているのです。

《罪や穢れを祓い、お清めして本来の自分に戻る》

完璧な存在であるはずの人ですが、ストレスや悩みを抱えることで、ありのままでパーフェクトなことを忘れ、時々自分を見失うことがあります。

こうした不具合や異常な状態が、「罪」や「穢れ(けがれ)」などと呼ばれるものです。

これらは自分が犯した罪や欠陥を表すのではなく、「日常の中にたまった不要なエネルギー」であると筆者は述べています。

本来あるべき自分の状態に戻るには、罪や穢れを祓い清めることが必要です。

神社には罪や穢れを祓い清め、人を正常な状態(ゼロ)に戻す浄化の力があります。

ゼロの状態に戻ると、神さまからの直感やひらめきが降りてくると筆者はいいます。

神さまに感謝と祈りを捧げ、気づきを得ることが大切です。

目次

  • プロローグ
  • 第1章 伊勢神宮には日本人の原点がある
  • 第2章 日本人は神道とともに生きてきた
  • 第3章 神々と交流してよりよく生きる
  • 第4章 今も生き続ける神代の世界
  • 第5章 神道的生き方のすすめ
  • エピローグ

一言コメント

私たち日本人は雄大な自然に触れただけで畏敬の念を抱くことがあります。万物に神が宿ると考えれば、これは神さまへの敬愛の表れでもあるのです。神さまや神道は当たり前のように存在し、私たちの中に根づいています。神さまに感謝の祈りを捧げ、そのままの自分を受け入れ、謙虚に生きることの大切さを教えられる1冊です。

注目の文章ピックアップ

・まず、神道では、人とはそのままでパーフェクト、完璧な存在であるととらえます。

・神さまに感謝と祝福を捧げることで、人は「ひらめき」や「直感」を受け取る。それに従って行動することで夢や願いがかなっていく。

・伊勢神宮では一年三百六十五日、一日も欠かすことなく神々への祈りを捧げています。

・神道の知恵は、八百万の神々の力をいただくことでもあるのです。

・それは、私たちにとって神さまや神道の存在が、「空気」や「水」と同じようなものだからです。

・神を敬い信じる感覚は、私たちの細胞に染み込むように深く息づいています。

・他者との違いを知ることは大切な知恵であり、さらに、その違いを認め合うことは叡智である。そして、足らざるところは補完し合いながら困難を解決し、目的を達成するためには力を合わせればよい

・その「ゼロ」になったところに、神さまからの「直感」や「ひらめき」が降りてくるのです。

・過分な欲望をもたず、今に満足し、答えは自分のなかにあると知って謙虚に生きる。

・与えられているものすべてに感謝し、一見否定的な現実であって受け入れてみれば、神さまが必要なプレゼントをくださる。

・この瞬間の判断が未来を創っていくと考え、先人に感謝し、過去の歴史から学んで、行動していく生き方です。

・周囲の人と調和しながら自分の暮らしをいとなみ、毎日をほがらかに過ごす。これが、神さまに喜ばれる神道的な究極の生き方なのです。

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