喜びの道をひらく 天の言霊の道
- 著者:北川 達也
- 出版:コボル
- 発行:2024年4月1日
- 価格:1,500円+税
- 頁数:144ページ
- 評者:峯岸 悠
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
書籍のタイトルを見ると、あらゆる願望から解放されて、神が導く奉仕の道に進むための書籍だと感じ、敬遠してしまう人もいるかもしれません。
しかし、騒がしく心痛める出来事であふれている今の世の中で、つらさや我慢を手放し、喜びに満ちた生き方をするための心構えが書かれています。
自己犠牲を手放し、他者も自分自身も喜びに満ちた人生を送るためには、心を整えることが大切です。この書籍では、10つの扉に分けて心のあり方を優しく伝えています。
<<著者「北川 達也」氏について>>
全国の神社を包括する神社本庁から、神職としての学識が認められ、神職妖精機関で取得できる最高階位を授与された人物です。「世のため、人のため」という「神道的な精神」を社会生活の場で実践するために、2005年から現在までソフトウェア開発会社の経営を行っています。また神道的な精神を伝えるために、定例セミナーを毎月開催しています。
≪自分の内側から湧き出る言葉から変化させる≫
嫌なことが起きるのは、外側の現実には関係なく、自分の内側に嫌なものが眠っているからです。もし今、あなたがつらい現実を受け取っているなら、無意識に「つらい」と心の中で、もしくは実際に言葉にして唱えているのかもしれません。
喜びにあふれる日々を送るためには、意識的に「うれしい」「楽しい」「面白い」「おいしい」「幸せ」「ありがとう」といった喜びの言葉を使いましょう。そして、すべての出来事は、過去でも未来でもなく、今この瞬間のあなたの内側で響く言葉によって作り出されることを忘れないでください。
≪嫌な記憶を縮小化し、思い出す機会を減らす≫
書籍では、「嫌な記憶とは実際にあった過去の出来事の中から、ふとしたときに、くり返しよみがえってきてしまう悩みや苦しみ、痛み、恐怖などの感情」と定義されています。
嫌な記憶を思い出さなければ、時間の経過とともに薄らいでいった経験がある人も多いでしょう。しかし、ふとよみがえってきてしまうことがありますよね。嫌な記憶に対して「ありがとう」と心の中で連呼し、感謝の言葉でラベリングしましょう。ラベリングし続けることで、嫌な記憶の質が変わり、記憶がよみがえりにくくなります。
≪喜びの道を歩むためには≫
喜びの道を歩むためには、自分自身を犠牲にしないように生きることが大切です。自分自身が犠牲になることも、苦しむことも、過去の嫌な記憶や怨みの心を手放さないことも、喜びの道とはいえません。
他者も自分自身も喜びでいるためには、慈愛の心を育てましょう。慈愛の心を育てるためには、祈りをささげることが大切です。
祈りには「○○、ありがとうございます」という感謝の祈りと、「〇〇さんが喜びますように」という愛情の祈りがあります。自分自身の喜びのためだけではなく、他者の喜びのために祈ることが大切です。また祈りは場所を選びません。時間があれば、神様に祈りをささげることを心がけてください。
喜びの言葉を使うこと、嫌な記憶を感謝でラベリングし薄めていくこと、そして祈りを通じて、神様とともに喜びの道を歩み続ければ、私たちの内側で喜びの思いが育ち、すべての望みが叶えられるようになりますよ。
目次
- はじめに
- 第一の扉 喜びが満ちる神の国
- 第二の扉 喜びを呼び寄せる
- 第三の扉 喜びの人生をおくる
- 第四の扉 嫌な思いを解消する
- 第五の扉 心の自由を取り戻す
- 第六の扉 夢や目標を定める
- 第七の扉 慈愛の心を起こす
- 第八の扉 自愛の心を実践する
- 第九の扉 神に祈りを捧げる
- 第十の扉 喜びの道をひらく
- おわりに
一言コメント
神道に精通した筆者が、心穏やかに幸せに生きるための心構えをわかりやすく説いた書籍です。嫌な思いから解放され、欲しいものを手に入れるために必要なことが、仏法や神道などの考え方や思想の枠組みを超えて解説されています。願いが叶う喜びの道へと導く毎日の習慣もまとめてあるため、実践しやすい内容だと感じます。
注目の文章ピックアップ
・神様の喜びに抱かれつつ、その喜びを養うことにより、私たちの心の中に、神の国はひらかれる。
・自分自身に起きることは、内なる言葉からはじまる。よって、起きることは自分自身が呼び寄せたもの。内なる言葉にないものが、外から近寄ることはない。
・私たちに、喜びを抑圧するような思想は不要。喜びをもたらす思想のみを受容しよう。
・実際に起きてしまった過去の出来事は、変えられない。一方、過去の出来事の解釈はいくらでも変えられる。自信と勇気をもち、必ず変えられると強く信じよう。
・すべては自分という意識をもてると、ひとりぼっちという心の自由が奪われている状態から解放される。さらに、自己中心的な考えがよりなくなり、自分自身の喜びとなり、すべてのものの喜びともなる。
・他者から見て、達成できないと思われるくらいの大きな夢や目標をもっていていい。自分自身の夢や目標の限界や大きさ、数などは、自分自身の想像力によって決まる。
・外面的なもので、内面的な清らかさは得られない。内面的なもので、外面的な清らかさは得られない。体に水をかぶると、外面的な穢れは洗い流される。しかし、内面的な穢れが洗い流されることはない。
・目には見えない存在に気持ちを向けることにより、導かれていると思えるような直感力が身につく。
・家事や仕事とは、無理をすることではなく、本来、他者と自分自身の喜びとなるもの。