おみちびき 伝説の神仏が教えてくれた至福の生き方
- 著者:桜井 識子
- 出版:株式会社宝島社
- 発行:2022年7月27日
- 価格:1,400円+税
- 頁数:286ページ
- 評者:井口 まどか
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
神仏研究家、文筆家として活躍する本書の著者「桜井識子」氏は、幼い頃から審神者(さにわ)の祖父、霊能者の祖母の影響を受けて育ち、これまで1,000社以上の神社仏閣を参拝した実績があります。
本書では、神仏と交信できる著者が、もともと人間であった伝説の神仏、聖徳太子(しょうとくたいし)、役行者(えんのぎょうじゃ)、即神仏(そくしんぶつ)の3柱をそれぞれ訪れ、取材した内容が特集されています。
《かつて人間だった3柱の神仏の教え》
著者は、法隆寺を建立したことで知られる歴史上の人物「聖徳太子」、修験道(しゅげんどう)の開祖「役行者」、厳しい修行後に即身成仏した行者「即神仏(真如海上人)」の3柱をそれぞれ訪れました。
神仏と交信できる著者ですが、3柱の神仏にスムーズに出会えたわけではなく、苦労したエピソードが語られているのも興味深いです。
聖徳太子、役行者、即神仏(真如海上人)は現在神仏となっていますが、もともとは私たちと同じ人間でした。
聖徳太子といえば、日本国内で最初に発行された一万円札の肖像であり、「厩戸皇子(うまやどのおうじ)」の名前でも知られる、歴史の教科書でおなじみの人物です。
近年、聖徳太子は実在しなかったという説が存在しますが、著者が実際に出会い、会話をしたときの内容が本書に詳しく書かれており、不在説は払拭されます。なお、著者によると、現在、聖徳太子は仏様として活躍しているといいます。
著者は、この聖徳太子をはじめ、役行者、即神仏(真如海上人)に、人間だったときの生き方をたずねており、学んだことを本書でそのまま紹介しているのが魅力です。
《著者が長い間会いたかった「役行者」》
著者は役行者に会いたいと思い、長年あちこちの神社仏閣で探し続けていたといいます。霊力の高い著者であっても出会うのが難しい神様とのことですが、今回の取材でようやく念願がかない、そのときの様子はもちろん、会える場所や方法などが本書内で惜しげもなく紹介されています。
役行者は修験道の開祖であり、日本各地の山を開いた人物です。著者によると、生前の役行者は山岳系の神様を見つける能力に長けており、強大なパワーを持つ神様がいる山のほとんどは役行者が開いたものであるといいます。
このことに興味を持った著者は、役行者がどんな人物だったのか、現在どのような神仏になっているのかを知りたいと思い、長い間ずっと探し続けていたのです。
苦労のかいあって、ようやく出会えた著者は、役行者が神様のいる山だけを選んで登っていたことを知ります。役行者は山に登らなくても、見た瞬間に神様がいることがわかる能力を身につけていたのです。
現在、役行者は修験者を守る、波動の高い神様として活躍しており、ご神気をいただくと良い作用があると著者は述べています。
《「わかる」感覚を養う》
著者は山形県にある湯殿山(ゆどのざん)龍水寺大日坊(りゅうすいじだいにちぼう)を訪れ、即身仏である「真如海上人(しんにょかいしょうにん)」にも出会いました。
そこで、神仏に愛されることが一番大事という言葉を聞き、著者の座右の銘にしたといいます。
著者によると、神仏は人間を守り、救う存在であり、私たち人間には誰にでも霊能力があると主張します。神社仏閣の参拝は霊能力を向上させる修行になり、神仏に歓迎されているサインがわかる感覚を養うのに最適な場所とも述べており、神仏に愛される生き方を実践するためにも、あらためて近隣の神社参拝からはじめてみたいと思える書籍です。
目次
- はじめに
- 第1章 聖徳太子
- 第2章 役行者
- 第3章 即身仏
- 終章 神仏霊能力を正しく向上させるために
一言コメント
著者である桜井識子氏にとって伝説であった聖徳太子、役行者、即神仏をそれぞれ取材したときの苦労話、当人でなければ聞けない貴重なエピソードなどが詳細に書かれている興味深い1冊です。終章で解説されている神仏霊能力の授かり方、正しい向上のさせ方も必見です。
注目の文章ピックアップ
・もとが人間だった神仏が人間である時に、どのように生きていたのか…ということは、私たちにとって大きな学びになります。その生き方、一生が、貴重なことを教えてくれるのです。
・神仏はどちらも、人間を守ってくれたり、救ってくれる存在です。
・ああ、なるほど!と、わかった瞬間の感動というか、悟りというか、ひとつ学びをつかんだ感覚は、霊的な成長につながるそうです。
・神様の巨大なパワー・エネルギーが木々や植物、虫や動物、人間を守っており、周囲によい影響を与えているのです。
・地球と似た環境の星があっても…たとえば、宇宙のどこかに同じような太陽があって、太陽からの距離が地球と一緒で、水があって酸素があっても、霊的なエネルギーを持っていない星だったら命は生まれない、と言っていました。
・人によって違うかもしれないという前置きをして、神仏に愛されることが一番大切である、と説いていました。
・神様は好ましく思う人間に信仰してもらうことが、本当に嬉しいので、参拝に来ると歓迎します。
・神社仏閣に参拝をして小さな修行をしつつ(神社仏閣は行くだけで小さな修行になります)、感覚を養っていくといいです。
・つまり、「わかる」感覚とは、自分が感じたものや受け取ったものが、本物かどうかを判断する道具になるのです。ですので、この感覚は時間をかけても、“正しく”身につける必要があるというわけです。