比べず、とらわれず、生きる
枡野 俊明(2018/9/18)

 

比べず、とらわれず、生きる

  • 著者:枡野 俊明
  • 出版:株式会社PHP研究所
  • 発行:2018/9/18
  • 価格:680円+税
  • 頁数:221ページ
  • 編集:スピりんく 編集部

スピリチュアルブログ版ダイジェスト

私たちは過ぎ去った過去に思いを寄せ、未来への希望と不安を抱き、現在という時を生きています。
しかし禅の世界にあるのは現在のみ。
過去にも未来にもとらわれず、今という一瞬を生きるということこそ禅の教えの基本なのです。
命というものには限りがあり、いつ終わりがやってくるかは分かりません。
だからこそ、今生きていることに感謝をして一瞬一瞬に心を尽くさなければなりません。
本書では34の禅の教えをもとに、今を全力で生きるためのヒントを教えてくれています。

<<全ては自分の心が生み出しているもの>>
不安や心配は全て未来の中にあるものであり、起こってもいないことを自分で勝手に想像して不安になっているだけのことです。
また、周りからの評価や世間の常識、そういった実態のないものにとらわれて私たちは自分で自分をがんじがらめにしています。
他人と比べたり、ないものねだりをしたり、自分の不幸を嘆いたり、そうやって自分自身をどんどん生きづらい方向に追い込んでいるのです。
しかしネガティブな感情もこうであるべきという常識も、全ては自分の思い込みや幻想に過ぎません。
この世に起こる全ての現象は、それを感じる人間の心の現われに過ぎず、それらは心とは別に存在しているのではないということを理解し、執着や不安を手放すことで自分を楽にしてあげることができます。

<<自分で自分を育て導く>>
人間である以上感情があり、好き嫌いもあるでしょう。
しかしどんな相手であっても、その人と出会ったのは縁です。
相手を無理に好きになる必要はありませんが、縁を受け入れ、いつか終わるであろう関係を受け流すくらいの気持ちの余裕を持つことが自分を楽にします。
人に対しての笑顔と感謝の気持ちを忘れることなく、どんな相手に対しても分け隔てなく接する心を持つことで、自分自身を成長させることができます。
人と人との出会いは一期一会。
その縁に感謝して大事にすることができたとき、人は誰かとともに生きていくことができるのです。

<<今の一瞬だけに目を向ける>>
「毎日同じことの繰り返し」「自分はなにも成し遂げていない」と自分の人生を退屈に思い、現状に焦ってしまうことも少なくありません。
しかし、焦りは暇から生まれるもの。一瞬一瞬に集中して生きていれば、焦りを感じる暇もありません。
人生とは自分との対話であり、答えは人が決められるものではありません。
人はみな孤独なんだということを理解し、自分自身で導いた選択をし続けていけばいいのです。
そして自分に対しても相手に対しても、全てに白黒をつける必要はありません。
迷ったときは曖昧さのなかで生きていくのも必要なことなのです。
今の一瞬を大切にしていれば自ずと答えは導き出されます。

生きていれば悩むこと、人と比べてしまうこと、自分に失望することはたくさんあります。
しかしその原因のほとんどは自分の心が勝手に生み出しているものであり、今という一瞬に集中して丁寧に生きていれば、心のもやもやは取り払われていきます。
人と比べないこと。執着を手放すこと。縁を大切にすること。自分を見つめなおして対話すること。そして何より今に集中すること。
そんな禅の教えを日々の生活に取り入れることで、あなたの人生はずっと生きやすくなるはずです。

目次

  • はじめに
  • 第1章 すべては自分の心から現れている
  • 第2章 自分で自分を育てる
  • 第3章 この一瞬を生きる、ということ

一言コメント

仕事をしていること、好きな人と一緒にいること、生きていること。
全てにおいて当たり前と思いがちな人生において、禅の意識を持って噛みしめて生きることがどれだけ大切なことかに気付かされました。
ページをめくるたびにハッとさせられ、心が軽くなり、何気ない一日に感謝の気持ちを持つことを教えてくれます。

注目の文章ピックアップ

・起こってもいない未来を心配することは、今という時間を無為に過ごすことと同じです。

・人はみんな同じではありません。同じ年齢でも、10人いれば10通りの生き方があるのは当然のこと。みんなが同じ常識の中に生きる必要などないのです。

・あなたの心を縛っている縄は、誰もほどくことはできません。それをほどくことは、自分自身にしかできないのです。

・幸せというものは、みんなの傍に寄り添っている。少し探す努力をするだけで、それは必ず見つかるものです。

・一時も忘れることはない。それは深い思いを表しているようにも思えますが、そこに深い思いはありません。それは単なる執着に過ぎないのです。

・30代で悩んでいたことも、70歳になればきれいさっぱり忘れてしまう。であるからこそ、人間は生きていけるのです。

・自分の代わりを求めたり、見返りを求めたりすることで、どんどん生きることが不自由になっていきます。

・一度の出会いを大切にするのも「一期一会」なら、いずれつき合いは終わると考えることもまた「一期一会」なのです。

・何も行動に移さずに、ただ自分一人で悩んでいる。そういう人はきっと、暇つぶしに悩んでいるのではないでしょうか。

・自分で自分に言い聞かせるということが、人生の選択においては重要なことなのです。

・どちらか一つに決めようとすることは、すなわちどちらかに執着することと同じです。

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比べず、とらわれず、生きる 枡野 俊明

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