人生は、約束
- 著者:矢作 直樹
- 出版:光文社
- 発行:2016年5月20日
- 価格:1,200円+税
- 頁数:172ページ
- 評者:岡村美雪
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
本書の構成としては、著者がこれまでの医療に関わるなかで感じてきた、人生は約束であるということを、5章にわけてまとめています。
それぞれの章では、その約束とはどんなものか、約束に気付くためにどう生きていったらいいかなど、自分の人生や自分自身の生き方に疑問を持っている人に、こんな考え方もあるということを教えてくれています。
<見える約束と見えない約束>
約束には「見える約束」と「見えない約束」があり、普段交わすのは「見える約束」で、私たちが生まれながらに持ってきたものが見えない約束であると著者は述べています。
見えない約束は運命や今生の課題とも呼ばれており、人にはそれぞれ持って生まれたお役目や、固有の縁などがありますが、生まれたときにそれをきれいさっぱり忘れてしまうそうです。
しかし、見えない約束に執着必要はないということです。毎日の生活で得るものや、ふと気づくもの、そこで学ぶ物こそが見えない約束なのだそうです。
<思いの力>
著者は起こる出来事は、思いの力が関係すると述べています。
人が持っている気とは、身体や内臓から発する微弱な電磁波なのだそうです。それがそろっている、乱れているなどの違いで、穏やかな気だったり強い気を周囲が感じ取るそうです。
また、自分の周囲にはそのときの自分にマッチする人しかいないのだそうです。
難しい顔をしていると荒々しいエネルギーが、笑顔には優しいエネルギーが同調するので、できるだけ笑顔でいると、別の笑顔のエネルギーが同調します。
私たちはエネルギーをコントロールすることができるので、不安でたまらないときでも、人は人、自分は自分ということが確認できれば、マイナスのエネルギーを最小限に抑えることができるそうです。
これはダメージ・コントロール(ダメコン)と呼ばれているそうです。
自分ではどうにもできないことが起こっても、ダメージ・コントロールをすることで、落ち込みすぎず、早い立ち直りが可能になるということです。
ダメージ・コントロールとは別の視点で、ネガティブに意識を向けないというのも大事なことで、自分の成長を期待できない経験に没頭する必要はないし、他者の悪口や陰口を言うことも、自分には何もメリットがないと述べられています。
ネガティブな状況におちいっても、そこから脱出するチャンスは何度も訪れるのだそうです。それは感性を磨く、ということで、感性が豊かになるほど、ネガティブからの脱出が早まるそうです。
思いは自分自身の波長を変化させ、周囲はその波長に同調するので、なるべく自分の気持ちを落ち着かせることがポイントなのだそうです。
そして、この世界では感情のエネルギーを言葉で表現するため、相手も自分も気持ちよくなるような言葉を使うことが大切だということです。
<もっと自分を知ること>
この章では、出した思い(想念)のエネルギーは必ず戻ってくると著者は述べています。
思いのエネルギーには、同じものが引かれあう、違うものが反発しあうという二大法則以外にも、出したものは元に戻るというルールがあるそうです。
正のエネルギーも負のエネルギーもいつか自分に返ってくるそうです。
また、脳は文脈の当事者を認識しないため、面白い、楽しいと口にしていると、本当にそうなるように面白いことや楽しいことを脳が見つけようとするのだそうです。
このような体や脳の仕組みを交えながら、思いや言葉の大切さを分かりやすく伝えています。今まで負の感情にとらわれて人生がなんだか無意味に思えるとき、この本にはどう生きていったらいいのかが、こころにすっと入ってくる文章でつづられていますので、ぜひ書籍で確認してみてください。
目次
- はじめに
- 第一章 良いも悪いも約束
- 第二章 思いの力
- 第三章 すべては言葉から始まる
- 第四章 もっと自分を知ること
- 第五章 約束された人
- 謝辞
一言コメント
自分の生まれてきた意味ってなんだろう?そう感じたときに答えが見つからず、生きづらさや空虚さを抱えてしまうこともあります。この本はそんな人生に迷いを感じている人に、毎日の生活の中に隠れているこの世で果たすためのお役目やご縁に気が付くためのヒントがあります。
注目の文章ピックアップ
・不安でたまらない状況なら、自分が発する不安な思いが同調したり、楽しくて仕方ない状況なら、自分が発する楽しい思いが同調したりするでしょう。
・あなたの周囲には、あなたとマッチする人しか登場しません。難しい顔をしていると荒々しいエネルギーが、笑顔には優しいエネルギーが同調します。
・ネガティブな状況から脱出するチャンスは何度も訪れます。気付いていないだけですが、そこに関係するのが「感性」です。
・私たちは生まれるときに、それぞれ何を学ぶか、自分で決めてきました。それは「こうしたい」という気持ちであり、気持ちはこの世では言葉で表現されます。つまり言葉は、気持ちが形を変えたエネルギー体なのです。
・あちらの世界での約束を一つずつ実現するための時間、それが人生です。この世界では感情のエネルギーを言葉で表現します。
・だからまず、言葉を変えること。周囲に流されて汚い言葉を使わないこと、相手も自分も気持ちよくなるような言葉をなるだけ使うこと。すぐにできます。