女神の目覚め 祓い清めで自分と出会う
- 著者:長 典男
- 出版:きれい・ねっと
- 発行:2024年1月13日
- 価格:1,600円+税
- 頁数:256ページ
- 評者:西野 良子
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
本書は、著者の長典男氏が、「慈空庵」という庵へ訪れた女性とのセッションを通して、現代に生きづらさを抱えた女性、またスピリチュアルや見えない世界のことに関心がある女性に知っておいて欲しい内容をお話する構成となった一冊です。
スピリチュアルに関心を持ち始めたけれど、やっぱり見えない世界のことは難しいとか、怖いのではないかと思っている人にも、スラスラと読めて、読み終わった頃には、見えない世界について、理解が深まっているでしょう。
<<著者「長 典男」氏について>>
著者の長典男氏は、幼い頃から見えない世界のことが分かり、中学2年生の頃には、偶然立ち寄った護国寺で出会った僧侶に導かれ、高野山で在家僧侶として修行しました。
22歳まで活動した後は還俗し、現在は見えないものを視る力を生かし、人生相談や祓い清めなどを行っています。本書に登場する女性のように、著者のセッションをご希望の方は、公式サイトで情報を得ることができます。
<<日本は女神の国>>
著者は、縄文時代から平安時代まで1万年以上もの間、日本は女性中心の女系社会として平和が続いていたといいます。女人禁制の山などがあり、女性は不浄のものだとされていますがそれは嘘で、そもそもは争いや狩りをして血を浴びる男性の方が不浄とされていたそうです。
それが室町時代から徐々に変わっていき、女性は不浄だとされていきました。戦国時代ともなると、争いが中心の男性社会になったため、女性はモノ扱いされるようになってしまいました。
こうしたことが長く続き、男女平等が叫ばれるようになった今でも、まだ男性優位社会で、生きづらいと感じている女性は多いと思います。また、その歴史の長さから、女性は奥底に自分を低くみてしまったり、どこか自信が持てないといった不安を抱える人も多いと思います。
しかし実際には、女性は不浄などではなく、みんな女神として輝いていたのが本来なので、自信を持って輝きを取り戻して欲しいという著者の願いが感じられます。
<<瞑想は足し算、座禅は引き算>>
著者は、瞑想はプラスで足し算するもの、座禅はマイナスで引き算するもの、と捉えて解説をしています。
瞑想をする場合には、自分の内側に入っていって、本来の自分や新たな自分を探していくイメージです。そして、必要な癒しやエネルギーを注いでいくという「足し算」になるのです。
座禅をする場合には、例えば壁に向かって座り、何も考えずボーッとした状態になることで、どんどん雑念を出していきます。何も考えないようにしようと思っても、あれこれ出てくる考えは、意識の上層部、顕在意識にあるものです。それを出し切っていくことが引き算です。
すると、やがて潜在意識からのメッセージがやってきます。これは自分が意識的に考えていることではないので、自分では思いもしなかったメッセージだったりしますが、大切なものなので、しっかりと受け取ると良いそうです。ただし、それは自分の中から出てきたものであって、神様からのメッセージだと勘違いしないことも大切ということです。
目次
- プロローグ
- 第1章 見えない世界との向き合い方
- 第2章 日本は女神の国 縄文は女神の時代
- 第3章 自分を癒すためにできること
- 第4章 見えないエネルギーを味方につける
- 第5章 祓い清めで女神と出会う
- エピローグ
- あとがき
一言コメント
スピリチュアルの初心者には分かりにくい、見えない世界のことですが、この本では、どこにでもいるようなひとりの女性と著者との対話スタイルにより、いつの間にか自分もその場にいるような臨場感を味わいながら、難しそうな内容もスッと入ってくる読みやすい一冊でした。今話題の女性性について新たな視点が得られました。
注目の文章ピックアップ
・男性は部族の争いで人を殺めたり、狩りをして動物を殺めたりといった血を浴びる不浄の者ということで、神々様のおられる山に上がってはいけなかったのです。
・山の頂上だけに神様がいらっしゃるというのは、考え方としておかしいのですよ。基本的にはご神事をする場所は、女性が上がれる場所ということになります。
・とにかく、女性が不浄だということはないですし、それこそ逆に男性の方が不浄だからという理由で行われていることもあるということを、少し頭に入れておいていただけると、歴史の見方がガラリと変わって、より真実に近づけるのではないかと思います。
・潜在意識には、過去のことがすべてたたみ込まれています。両親とのかかわりや友達との間で起こったこと、先生に言われて傷ついたこと、内緒にしている小さな悪さ等々、生まれてからすべてのこと。
・悩みや苦しみを預けるところを自分の内側につくれないから、外側につくって飛ばす、それが生霊の正体です。
・まず、「祓い清め」のおさらいですが、「祓い」は、余分についている外側の汚れを払い落としていくこと、「清め」は、内側にたまったものを洗い出してきれいにしていくことで合っていますよね。
・これだけ大切な指針を失っているのですから、日本人が生きづらくなっているのはある意味当然のことだと思います。