八正道
- 著者:相川 圭子
- 出版:河出書房新社
- 発行:2017年6月30日
- 価格:1,300円+税
- 頁数:216ページ
- 評者:鈴木高史
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
八正道は、女性で史上初の究極のサマディ(悟り)に達したシッダーマスター(ヒマラヤ大聖者)である相川圭子さんが、ブッタが説いた八正道の教えをベースに、誰もが心の悩みを解決して幸せに生きられる具体的な方法を解説した書籍です。
本書の構成は、八正道の教え(正見、正思、正語、正業、正命、正精進、正念、正定)がそれぞれ独立した章としてまとめられており、誰もが無意識に選んでいる「苦しい生き方」から抜け出すためのヒントが随所に散りばめられています。
≪人間関係の悩みや人生の不安をなくしていくのが正見≫
全ての悩みから解放されるためには、八正道の最初のステップであり、全ての基本となる「正見」をマスターすることが最も大切だと筆者は説いています。
人が何かを見るという行為は、感覚器官の目だけではなく、過去の体験のフィルターを通して見ている、とも言います。
これを「正しく見ていない状態」だとして、「全てのものは変化し消えていく。そのことに気づくのが本当の正見」と筆者は説明します。
≪思いは必ず実現するからこそ、正しく思うことが大切≫
正しく見ることができてこそ、正しく思うことができるようになります。筆者によれば、思ったことは必ず形となって現れ、日々の思いが自分を創り出します。今の自分は「自分の思いの結果」に過ぎないのです。
≪発した言葉の波動は相手だけでなく、自分自身にも影響を与える≫
言葉は電波のように飛んでいく波動です。波動の質によって自分や周囲を浄めたり、汚したりするそうです。
人を傷つけない言葉を使い、言葉の暴力を慎む「愛語」を使うよう筆者は勧めています。
行為は思いが現れたものですが、言葉も思いが現れた行為(カルマ)です。最近よく言われる「引き寄せの法則」にも直結するため、愛語を使えば良い波動を発することができると言います。
≪愛と感謝の言葉がにじみ出る。それが意識の進化≫
腹を立てることも、乱暴な言葉を吐くこともエネルギーの消耗です。自分のエゴがむき出しになり、互いに傷つき、心が苦しくなります。
自分も周囲も幸せにする言葉の波動が人を成長させますが、ただ正しい言葉を発するだけでは「いい人を演じている状態」に過ぎません。
本心から相手に愛と尊敬を持ち、感謝の言葉がにじみ出るようになれば、意識が進化すると筆者は言っています。ころころ変化する心ではなく、進化した意識で物事を捉えられるようになれば、人生が一変するそうです。
筆者は八正道を実践すれば新しい生き方が始まり、運命が変わると言います。
また、この世に生まれてきた最高の贅沢を味わってほしいとも伝えています。
ぜひ、本書でその神髄を確かめてみてください。
目次
一言コメント
ブッダが説いた「八正道」を、とても分かりやすく解き明かしています。著者は修業の末にヒマラヤ秘教の承継者となった日本人女性です。心を豊かにして幸せに暮らすことができる具体的な方法が、それぞれ独立した8章に分けて書かれているため、ぐんぐん読み進めます。スピリチュアル初心者にも、おすすめの一冊です。
注目の文章ピックアップ
・ただ見ているつもりでも、実はいろいろなことにとらわれて見ています。
・人は、自分が楽になりたい、自分を守ろうと思って生きているので、そのためにいろいろなもの、色をくっつけた状態になっています。今思っている「自分」も色が付いた状態の「自分」なのです。
・すべてのものは変化し、消えていく。そのことに気づくのが本当の正見です。
・あなたの思ったことは形になって現れています。日々の思いが自分を創り出しています。自分は自分の思いの結果の作品なのです。
・人は外側のくっついたものを信じ、変化するものを信じているのです。そこに依存し、変化に翻弄され、苦しむのです。ですから、変化しないものを信じることが必要です。
・愛と感謝の言葉がにじみ出る。それが意識の進化です。
・今すぐに誰にでもできる素晴らしい実践があります。それは、感謝することです。最初に、当たり前にできることに感謝します。歩けることはありがたく嬉しいことですし、喋れること、見ること、聞くことができるのも嬉しいことです。
・「ポジティブに考える」のではなく、「どちらにも心を使わない」のが理想の状態です。
・あなたの体は自分とイコールではありません。
・正定を行っていくことで、今にいられるようになります。心は動き変化するのです。それを受け入れて、やがて浄化しきって、不動の心となり、今にいて、ただ見ている人、平和な人、宇宙的愛の人になっていくのです。