苦しみの手放し方
大愚 元勝(2020/2/19)

 

苦しみの手放し方

  • 著者:大愚 元勝
  • 出版:ダイヤモンド社
  • 発行:2020年2月19日
  • 価格:1,500円+税
  • 頁数:321ページ
  • 編集:スピりんく 編集部

スピリチュアルブログ版ダイジェスト

現代社会において、仕事、金銭、人間関係などに苦しみ、さまざまな悩みを抱える人が多くいます。その原因は外からやってくると考えがちですが、実は、不安も悲しみも自分自身がつくり出しているものなのです。本書を読むと、苦しみを手放すには、まずそれに気がつくことが大切だと教えられます。

《著者「大愚元勝」氏について》

本書の筆者、大愚元勝氏は愛知県小牧市にある禅寺、福厳寺の弟子として育ち、平成27年(2015年)に31代住職に就任しました。

また、令和元年(2019年)には佛心宗を興し、会員制寺院をスタートさせ、内弟子僧侶の育成、動画SNSでの番組配信など、仏教を伝える活動をしています。

さらに、事業家、作家、空手家、セラピストなどの顔を持ち、幅広く活躍する僧侶です。

《苦しみは自分がつくり出している》

お釈迦様は瞑想座禅をして自らの苦しみを観察し、その原因を探りました。結果、私たちが感じる苦しみは、自分の内側で、自分自身がつくり出しているものだとわかったのです。

私たちは、自分が苦しいと感じるとき、自分に悪いことが起こったときに、他人、社会、環境など、外側に原因があると考えます。

しかし、それは、自分の思い通りにならないことへのストレス、現実と勝手な思い込みとの間に生じるギャップにほかならないと筆者は述べています。

不安、不満、嫉妬、欲などは、仏教でいうところの「苦」です。よく自分自身に目を向けると、それらはすべて、自分の内側から生じるものであることがわかります。

《苦しみを手放して幸せを手に入れる》

苦しみをつくり出しているのは、ほかでもない自分であることに気がついたら、次に、その「苦」を手放す行動が必要です。その1つの方法として、本書では「四諦(したい)・八正道(はっしょうどう)」が紹介されています。

四諦とは、苦しみはすべて自分の中から生じるという、仏教が説く4つの基本的な真理(苦諦・集諦・滅諦・道諦)です。また、八正道は、苦の原因となる執着を断ち切り、覚りを得る状態に達するための、お釈迦様が説いた8つの正しい実践方法をいいます。

筆者は、四諦・八正道を実践することで、苦しみがなくなり、心の平穏が訪れると述べています。つまり、知恵を授かったことにより、それまで見えなかったことが、ありのままに見えるようになるためです。ありのままの姿を受け入れられれば、不安、悲しみ、ストレスなどの苦を感じることはありません。心の平穏を得ることは、すなわち幸せをつかむことにつながるのです。

八正道は、決して難しい実践方法ではありません。相手が喜ぶ言葉を使う、他を妨げない行為をする、他に貢献する、正しく自分を観察する、など、日常生活の中でできることばかりです。

八正道を実践しようとする人や家は、人生において難しい局面を迎えても、そこから軌道修正して、心の平穏と幸せをつかむ力があると、筆者は主張しています。

日々の生活の中で、少し意識を変え、行動することで、誰でも苦しみを手放して、幸せを手に入れられることが実感できる一冊です。

目次

  • はじめに
  • 第1章 人間関係に苦しまない考え方
  • 第2章 仕事の悩みとどう向き合えばいいのか
  • 第3章 お金に惑わされない考え方
  • 第4章 病気と健康をどうとらえたらいいのか
  • 第5章 子どもや家族の悩みとどう向き合えばいいのか
  • 第6章 恋愛や結婚の悩みとどう向き合えばいいのか
  • 第7章 悩み、イライラ、ストレス、悲しみから逃れる
  • おわりに

一言コメント

私たちは、悩み、苦しんだときに、その原因を外に求めてしまいがちです。しかし、あらゆる「苦」は自分の内側から生じるものであり、それに気がついたとしても、苦しみをなかなか手放せないのが現実でしょう。本書は、その苦しみを手放して、幸せになりたいと感じている方におすすめの書籍です。

注目の文章ピックアップ

・その結果わかったことは、どうやら私たちが感じている苦しみは、自分の外からもたらされるものではなく、自分の内側で、自分によって作り出されたものであるということです。

・そしてあらためて知ったことは、「仏典には、顔の洗い方から、瞑想法、集中の法、家庭円満の法、子育て法、健康法、資産構築法に至るまで、人生のあらゆる悩みに対するヒントが記されている」ということでした。

・仏教では、「真理を学ぶとき、僧侶や宗教者だけを『師』とするのではない。世の中すべての人たちが、優れた『師』となり得る」と教えています。

・「愛」とは、自分の思いや想いを伝えることではなく、「受け取る相手の立場に立って、接する」ことです。

・「自分は愚かであると知り、認めた上で愚かさを克服していくことに、人生の醍醐味がある」と私はそう考えています。

・人生とは、成長するための営みです。悩みや不安にさいなまれたら、怠ることなく励み、精進し、努力を続ける。

・「仏教」をひと言で説明すると、「苦しみを手放すための教え」です。仏教の目的は、「苦しみの根本を知って、苦しみを少なくする」ことにあります。

・身口意(心と言葉と行動)の方向性が一致してはじめて、私たちの心身は矛盾なく快適に生きることができます。

・仏教は、お釈迦様が説かれた「苦しみの手放し方」です。苦しみを手放して幸福に向かう生き方が、仏教です。

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苦しみの手放し方 大愚 元勝 ダイヤモンド社

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