運を引き寄せる生き方 読むだけで幸せになれる
- 著者:佐藤 伝
- 出版:プレジデント社
- 発行:2023年11月20日
- 価格:1,300円+税
- 頁数:192ページ
- 評者:萩森 千秋
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
<<不平不満はイリュージョン>>
著者の祖父は仏教学者、多田等観です。そして「宇宙のシナリオに乗っていけ」と教えられました。
「運が悪い」という人がいます。それは、本当にそうなのでしょうか? 運はみんなが持っています。しかも、最高の状態で存在します。ただ、多くの人がそれに気づかないでいるだけなのです。
私たちが「運が悪い」というのは、理想と現実を比べているからです。もし理想がなければ、不足を感じることもないでしょう。つまり、イリュージョンによって苦しめられている、とも言えます。
「今の自分が最高の自分なんだ」と受け入れられれば、あるゆる不平不満から解放されます。そして、運も向上していくのです。この本では「本当の幸福」に気づくためのメッセージが記されています。
<<世間のごたごたからは、距離を置いた方がいい >>
もちろん、現実は楽しいことばかりではありません。さまざまなトラブルがやってきます。そんな時、著者は「そうなんだ」と唱えてみましょう、と言っています。
株が下がってしまったら「そうなんだ」。台風に直撃されたら「そうなんだ」。お隣さんが気難しくても「そうなんだ」。「そうなんだ」と、あるがままに受け止める。これですべてOKだそうです。
そうやってリラックスした気分でいれば、いろいろな良いことがやってくるでしょう。
またその他に、著者はネットとの良い付き合い方を教えてくれています。フォロワーからの「いいね!」を求める人は多いでしょう。しかし、「いいね!」を押しているほうには、たいした思い入れはありません。そうしたことに自己価値を置くのは間違っている、と指摘しています。
そもそも、本当に多くの人から好かれる必要はあるのでしょうか? あれこれ無理して多くの人から愛される必要はありません。誰からも愛されなかったとしても、いいのではないでしょうか。なぜなら、あなたは既に宇宙から愛されているからです。
著者は「一人でいること」の大切さを説いています。自分の内面と語り合って、宇宙とつながれば、孤独の素晴らしさが見えてくるでしょう。「愛されない」という恐れは消えてしまいます。
<<自分の命が喜ぶことをしよう>>
現代社会では、人は常に「がんばって」います。自分の能力を高め、より多くのものを得て、たくさんの人とつながろうとします。けれどそれは、すべてエゴの願いではないでしょうか?
著者は一人ひとりには「宇宙のシナリオがある」と説いています。そして、人生の目的とは「息をすること」だと。
このように高い境地から物事を見れば、いま悩んでいる悩みは、すべてちっぽけなものとなります。そして、エゴの目標に右往左往する人生から解放されるというわけです。いろいろなエゴを手放せば、自然と「イイ気分」になれます。その時に、自分にとっての本当の幸福がやってくるでしょう。
自分のエゴに振り回されて、今、この瞬間を楽しめないなんて、もったいないと思いませんか? 「自分の命が本当に喜ぶことはなにか?」を知りたい方には、特におすすめできる本です。
目次
- 1章 運に目覚めるために知っておきたい話
- 2章 幸せになるためにちょっとだけ自分を見つめなおす
- 3章 人生の目的について考えてみる
- 4章 自分をもっと解放する「自由」への道
一言コメント
SNSにハマって、人の目を気にする私たち。ですが、人とつながることはそんなに大切でしょうか? この本では「たった一人でいる時間が、自分を充実させる」「SNSは自分の備忘録ととらえるといい」と書かれています。周囲に振り回される人にとっては、自分を取り戻させてくれる本となるでしょう。珍しい視点の本です。
注目の文章ピックアップ
・「すべては予定通り。宇宙のシナリオに乗っていけ」
人はみんな宇宙のシナリオを持って生まれてきており、すべてはその通りに運んでいる。だから、ジタバタすることなくシナリオに任せて流れに乗っていれば大丈夫だというのです。
・宇宙のシナリオにおまかせしていれば、自ずと出会うべき人に出会い、別れる運命にある人とは別れていくものだと思っています。
でも、多くの人が、無理に出会いをつくろうとしたり、別れる運命の相手を引き留めたりしようとするあまり、かえってご縁を失っているのです。
・私たちは宇宙のシナリオに沿って生かされており、明日どうなるかについて、確かなことなど誰もなにも得ていません。そんな私たちが最優先でやっていかねばならないのは「今を輝かせる」ということに尽きます。
・うまく理由付けはできないけれど、生理的に嫌なことや嫌な人って存在しますよね。それらとは関わらないで、すっぱり切り捨てましょう。
一方で、こわいのなら、それでちょっとびびっているのなら、チャレンジする価値ありです。
・ここまで深刻でなくとも、タバコを吸ったり、過度の飲酒をしたり、暴飲暴食をして太ったり、健康診断で問題点を指摘されたのにスルーしたりと、人は「自分をないがしろにする」行為を結構しています。その心の奥底に「どうせ自分なんかには価値がない」「自分を大事になんかしてはいけない」という刷り込みがないか、とことん見つめてみましょう。