気療講座 自他治療力を身につけよう
神沢 瑞至(2013/5/27)

 

気療講座 自他治療力を身につけよう

  • 著者:神沢 瑞至
  • 出版:株式会社 文芸社
  • 発行:2013年5月27日
  • 価格:2,300円+税
  • 頁数:252ページ
  • 評者:井口 まどか
  • 編集:スピりんく 編集部

スピリチュアルブログ版ダイジェスト

現代医学の進歩は目覚ましく、近年は「再生医療」という最先端の技術に注目が集まっています。病気やケガの回復・改善には、医療を受けて治療をするのが一般的ですが、実は私たち自身の体内にも自然治癒力は存在するのです

本書を通して、医療だけに頼らず、自己治癒力を高めるとともに、他者を癒す力も向上させることが大切だと教えられます。

《著者「神沢 瑞至(かんざわ ただし)」氏について》

大学卒業後、公務員として勤務していた著者の神沢瑞至氏は、あるとき体に異変を感じ、脳幹ショックを体験しました。これがきっかけで自他治癒力に目覚め、自分だけでなく、他人の病気やケガをも癒す効果があることを発見します。

以後、公務員を退職し、自他治癒力のさらなる研究と実践を重ねるとともに、日本国内のみならず、ワールドワイドに普及活動を続けています。

1996年には気療塾学院(東京都港区)を開設し、学院長に就任しました。現在も、気療に関するさまざまな書籍の執筆、メディア出演など、幅広く活動しています。

《大脳の発達により封印された自他治癒力》

過去、日本に中国の気功ブームが到来した時期がありました。

中国気功は、宇宙エネルギーという「気」を体内に取り入れて、それを自分の中で高めることで自分および他人を癒すのが基本の考え方です。

一方、「気療」は自然から気を得ることを基本としながら、病気やケガの回復・改善には、人間の中に眠っている癒しの感覚機能が関わっていると筆者は述べています。

すなわち、この感覚機能こそが、自分および他者を癒す効果のある「自他治癒力」であり、私たち人間の中に健康資源として存在するエネルギーです。

しかし、大脳の発達により、自他治癒力は封印されてしまったというのが筆者の主張です。

大脳の発達は、言語活動の働きを活性化させ、現在のような生活様式を生み出しました。大脳の発達がなかったら、私たちの生活は太古の時代のままだったのかもしれません。

ただし、人間の中には、太古の時代の記憶が受け継がれています。本書には、封印された自他治癒力を呼び覚ますためのヒントが書かれています。

《感ずるまま、あるがままに気療エクササイズを行うことが大切》

本書には、自己治癒力と他者治癒力を高めるための気療エクササイズの方法が具体的に紹介されています。

気療エクササイズといっても、難しい内容ではなく、誰にでも手軽にできる簡単な動作ばかりです。

ベーシックなエクササイズは、左右の手を「くの字」に曲げて、10センチほど間をあけて、手のひら同士を合わせるポーズです。

このとき、体も心もリラックスした状態でポーズをとります。無理に意識を集中させようとしたり、手に力を入れたりなどは必要ありません。

大切なのは、感ずるまま、あるがままに任せることだと筆者はいいます。最初は何も感じなくても、回数を重ねることで、次第に手ごたえを感じるようになります。

気療エクササイズにより自他治癒力が高まると、病気の予防や健康増進につながります。エクササイズの方法も簡単で、実践してみたいと思える内容です。

目次

  • はじめに
  • 「治癒」と「治療」について―病気やケガに対する考え
  • 序章 体外の気から、体内の「自他治癒力」へ
  • 第1章 人間が置き忘れている癒しの感覚機能(癒しの感覚世界)
  • 第2章 気療は神経の働きに着目
  • 第3章 太古の脳幹を呼び起こせ!
  • 第4章 気療エクササイズ(自他治癒力の体得)―神経伝達交流
  • 第5章 他社の気療ヒーリング(他者治癒力)―神経伝達交流
  • 第6章 「健全な脳幹」の気療効果
  • おわりに
  • (参考)健康増進法(平成14年[2002年]8月2日交付)

一言コメント

私たち人間には、病気やケガを治す「自然治癒力」を持っています。そればかりでなく、他者の病気やケガを治す「他者治癒力」も兼ね備えているのです。しかし、大脳の発達とともに、その癒しの力は封印されたため、体内に眠っています。癒しの機能を呼び覚まし、自他治癒力を高めたい方におすすめの書籍です。

注目の文章ピックアップ

・自他治癒力は、地球の地下資源と同様に、私たちの体内に眠っている健康資源です。

・万能細胞による「再生医療」が医療の最先端とするならば、気療はさしずめ、太古の脳幹を主体とする「気療の神経系の働き」による「自然医療」であるといえましょう。

・つまり、私たちの生命エネルギーは、生命を維持するためのエネルギーですが、それと同時に私たちは、病気との闘いをする癒しの生命エネルギーを体内に保有しているのです。

・私たち人間には、別次元の世界(癒しの感覚機能)が、潜在的に体内に保有されているということになります。

・要約しますと、お互いが「感ずるまま」に気(癒しの生命エネルギー)の交流を行うことで、太古の脳幹が呼び起こされるのです。

・換言しますと、私たちの両手の五本の指には、目には見えない生命エネルギーを感知・判別する力と、生命エネルギーの刺激により感覚硬直(筋肉調整)する力が秘められていることになります。

・気療エクササイズや気療ヒーリングにより、「気療生命エネルギー」を高めて活用すれば、「癒しの感覚機能」と「原始の生命機能」を呼び起こして、自己治癒力と他者治癒力を向上させ、それらを体得することができるようになります。

・創意工夫は必要ありません。ひたすら「感ずるまま」「あるがまま」が気療理論の「神髄」です。

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