スピリチュアルブログ版ダイジェスト

本書は、新米尼である著者ならではの、読者に寄り添った優しい語りが特徴です。時代を超えて、空海さまの教えをあたたかくふんだんに紹介してくれています。

《著者「小田海光」氏について》

本書の著者である「小田海光」氏は、1966年東京の浅草生まれです。玉川大学文学部芸術学科（油絵）を卒業後、父、深谷隆司（元通産大臣）の秘書を経て、２５歳で結婚します。一女の母かつ社会教育家であり、弘法寺管長の夫（小田全宏）のサポートで家に招待したゲストは延べ３万人を超えました。おもてなしや料理を教える女性のための勉強会を主催した後、５５歳で得度します。東京・三田にある大本山弘法寺にて、出会う人に癒やしと安心と希望を与えるべく日々活動しています。

《あなたは、あなたらしく》

自分にあるはずの宝に気づかず、迷い、悩むことほど愚かなことはありません。あなたの心の中に宝は、すでにある。それを知ることが大切だ、と空海さまは言われています。

あなたがあなた自身の宝を知ること。それができれば、迷いも消えていくでしょう。自分らしく生きるということが、楽にできるようになります、と著者は言葉を添えています。

《言い訳はしない》

仕事が順調な方、人生を謳歌している方は、「そのうちに」「機会があれば」「チャンスがあれば」という言葉はまず使わない、と著者は言います。興味があることに対しては、どんなに忙しくとも、すぐに手帳を開き、調整するのだそうです。

《心を「快の状態」に》

医学博士の故・佐藤富雄先生によると、心を「快の状態」にするためにはウォーキングがいちばんいいとのことです。15分歩けば、頭の中のモヤモヤも晴れると著者は話しています。

《自利利他の精神》

私が幸せならば、私のまわりの人も幸せ――それが自然と、自利利他の精神を目覚めさせると著者は言います。誰かのために何かをする、たとえばボランティアもどなたかのお役に立つ、どなたかを幸せにしたい、誰かのためにしているようで実はそのとき、自分がいちばん成長させていただいているのだそうです。

《いまに集中する》

いまに集中して、心をこめて、それを味わえば、人生は変わると著者は教えてくれています。未来はもちろん、過去さえも違ったものになっていくのだそうです。いま、この瞬間を楽しみながら、目の前の人や事柄に向き合えば、それまで見えていた景色が変わっていくのです。

《守ってくれる存在》

著者によると、「人生の大事な場面では、いつも守ってくれる存在がいる」と信じることができれば幸せなのだそうです。人は誰でも、誰かに導かれ、守られて、いまを生きていると教えてくれています。

《光のエネルギー》

人は何のために生まれたのか、その人がその人らしく素直に生きるとき、その姿はイキイキと美しく、自分も、まわりの人も幸せにつつむ光のエネルギーを輝かせると著者は言います。未来の出来事を不安に思ったりせず、無邪気に今を生きていけば、天は、安らぎと希望を与えてくださるのだそうです。

目次

• はじめに
• 第1章　一切皆苦　人生は思い通りにならない
• 第2章　求不得苦　求めるものが手に入らない
• 第3章　如実知自心　あるがままに自らの心を知る
• 第4章　五蘊盛苦　コントロールできないもの
• 第5章　諸行無常　すべてはうつり変わるもの
• 第6章　諸法無我　すべてはつながりの中にある
• 第7章　三密加持　身体・言葉・心を一体化する
• 第8章　涅槃寂静　苦のない悟りの境地をめざす
• 第9章　即身成仏　この身このままで仏になる
• おわりに

一言コメント

『癒やされて整う』の言葉通り、優しく穏やかな言葉に心を包み込まれ、読後はとても安らかな気持ちになれました。心身ともに無駄な力が抜けて軽くなり、今の自分のままで素直に毎日を楽しもうと、少し心持ちが変わったような読書体験でした。

注目の文章ピックアップ

・あなたは、あなたの人生を生きてください。そして、「自分らしさ」を見つけた後は、しっかりと、その芽を育てることです。

・「宝」は、あなたの中にあるのです。それに気づかず、他の人の宝を見て、羨ましがっているのでは、せっかく生まれてきたあなたという存在が、もったいない。あなたは、あなた自身が、大切な、大切な宝なのです。

・自分にしかできない役割を全うしましょう。幸せは、その人がその人らしくいられる環境や仕事、仲間との関わりの中にある。

・あなたは何ができますか？　あなたは何が得意ですか？　どんな服装で過ごすことが心地よいですか？　何をしているときがワクワク楽しいですか？　あなた自身のことを、まずはリストアップしてみてください。

・「自分マントラ」は、自分にとっての「魔法の言葉」。それを唱えれば、なぐさめられたり、癒やされたり、元気が出たりする。そういう魔法の言葉を、自分なりに持つということが大切だと思います。

・一つひとつのことに嬉しいな、有り難いな、幸せだなと敏感に感じることは、いまのあなたをさらにさらに幸福へと導いてくれることでしょう。

・「日々の言動を正しくする」「住まいや身のまわりを美しく整える」――そうしていくことで、自分自身までも美しく磨かれていくのだと思います。一生をかけて、自分自身の振る舞い、人格を磨きたいものです。

・四季はめぐり、明けない夜はない。私たちは、毎日、生まれ変わることができる。今日がどうでも、明日には洗い流された自分で生きることができる。

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