夢が本当にすぐ叶う「引き寄せ脳」の作り方
- 著者:大鈴 佳花
- 出版:株式会社KADOKAWA
- 発行:2017年10月12日
- 価格:1,300円+税
- 頁数:223ページ
- 評者:春岡 充
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
著者は、10年前までは海が好きな普通の女性でした。2004年、スキューバダイビングで激しい海流に巻き込まれる事故に遭遇しました。この事故で海を見ると呼吸困難になるPTSDになりました。PTSDを治すため医者や僧侶のもとに通いましたが効果がなく、PTSDを治すヒーリングを習い始めました。なんとかPTSDを治しヒーラーとして活動し始めました。
「ヒーリングは一時的に人を癒すだけで、ヒーリングを受けても本人が変わらなければ、また元に戻ってしまう。」と考え思想を伝える講師に転向しました。
2013年、カイロプラクティックの事故で約1年寝たきり生活を過ごし、このとき覚醒体験をしました。覚醒体験をまとめました。
・自分以外の他者がいない。
・世界と一体となった感覚しかない。戦争で殺される自己と戦争で人を殺す自己を同時に意識で捉えることも出来た。
・すべての事に感謝がこみあげてくる。
・やりたいことや願望が何もない。
この覚醒体験を応用すれば、全ての人が幸福を入手できると気付き、その方法を脳科学や心理学を用いて体系化しています。
私達は、無意識にミラーニューロンを通し他人の気分や行動に影響され、本来の自分自身に繋がることができません。瞑想で外からの影響を断ち、顕在意識と潜在意識のバランスが取れた時、覚醒状態となり本当の意味での自分自身と繋がれます。頭の中に描いている良い未来と繋がると人生が良い方向に向かっていきます。
また、感謝している時、顕在意識と潜在意識のバランスが取れ、覚醒状態と同じ状態になれます。
瞑想と感謝が大切なのです。これは唯識思想とほぼ同じです。
脳と潜在意識は、自己像を証明するためイメージ通りの行動を取ろうとします。だから、本来の自己像を持たないといけません。
・一日一回、自分を誉める。
・覚醒状態で未来の良いイメージと繋がる。
・他人の幸福を喜び、ミラーニューロンを通して良い物を他人から取り込む。
これらで良いイメージを持ち、幸福を招き入れることができます。また、覚醒しやすい脳になるワークも紹介しています。
・レバナ・シェル・ブドラで有名なグラウンディング
・マインドフルネスの文字を書く瞑想ワーク
・NLPディソシエーション・アソシエーションを活用したボックスのワーク
・NLPリフレーミングを活用した思い込み消去ワーク
最後に、著者のセミナーを受講した人の成功例が記されています。祝福すると幸福を分けてもらえるのです。
タイトルに引き寄せとありますが、スピリチュアルというよりは成功哲学です。伝統的宗教・仏教をベースとしているので、この本の書いてあることを忠実に守れば、必ず幸福がつかめます。
目次
- はじめに
- 第1章 どん底から幸せな未来への軌跡
- 第2章 「未来を想い出す」脳の仕組みを知ろう
- 第3章 「幸せな引き寄せ脳」をつくるには?
- 第4章 ワークで「幸せな引き寄せ脳」になる
- 第5章 幸せな未来を見て、あなたも夢を叶えよう
- おわりに
一言コメント
まさに傑作としか言いようがありません。現代のスピリチュアル用語を用いて、著者の思想の原点である難解な禅や唯識思想をわかりやすく説明し、内観や悟りを簡単な言葉で見事に説明しています。ワークも禅に関係する物が選ばれています。成功哲学であり、新しいタイプのスピリチュアル本です。
注目の文章ピックアップ
・『それまでの人生にどんなことがあったとしても、何度も何度も内観を繰り返すうちに、自分の人生が愛と感謝であふれていたことに気がついたのです。』
・『この世界は最高に面白く、いろいろな悩みや葛藤や悲しみがあり、そして頭にくることも笑えることもあり、何もかもがごちゃまぜの、どうしようもない世界。』
・『あなたの人生を変えるのは、最初の小さな行動からです。』
・『感謝して生きている人は人生が上手くいく』
・『来る日も来る日もヒーリングをしながら、”これは何か違うのではないか…”そう思うようになりました。なぜなら、ヒーリングを受けても、その時はよくなりますが、本人が本当に変わろうとしなければまた元に戻ってしまうのです。そして、不安を感じ、ヒーリングを受けに来るのです。』
・『私は「引き寄せの法則」については伝えていません。幸せになる「脳の仕組み」、つまり、本書のタイトルにもある「引き寄せ脳」について伝えています。』
・『「想い出す」というのは、すでに幸せを叶えたあなたを潜在意識から引き出して、顕在化していくことです。その素晴らしい未来を、上手に引き出し、想い出すことができたら、誰もがその夢を叶えることができるのです。』