やっかいな人を自分のお城に入れない方法
小池 龍之介(2019/1/31)

 

やっかいな人を自分のお城に入れない方法

  • 著者:小池 龍之介
  • 出版:マガジンハウス
  • 発行:2019年1月31日
  • 価格:1,200円+税
  • 頁数:163ページ
  • 評者:大脇 康夫

スピリチュアルブログ版ダイジェスト

「やっかいな人」のサンプルとして、「押しつけがましい人」を取り上げます。

===== 以下、本文より引用 =====

では、どうして彼らはこんなにも、他人の考えを踏みつぶしてまで強い自己主張をぶつけたがるのでしょうか?
私たちを憎んでいて、攻撃してやっつけたいと思っているのでしょうか?ーーいいえ、そのようなあからさまな悪意というわけでは、ないはずなのです。

そうではなくて、本人の自尊心が非常に脆弱(ぜいじゃく)なため、自分一人では、「自分は大丈夫」と安心できないのが原因です。
「自分には何かが足りない」という落ち着きのなさが、潜在的にいつも心を脅かしています。

それを、自らの向上に向け変えられれば良いのですけれどもねぇ。残念ながら、手っ取り早いのは、他人を否定して「自分のほうが上なんだぞ!」と暗示をかけるほうなのです。
もしくは、やたらと他人にアドバイス(たいていは見当外れな・・・・・)をしたがるというケースも見られますが、アドバイスを押しつけるのもまた、自分の立派さや上位さについて自己暗示をかけられるため、好まれがちなのだと思われます。

ですから、押しつけがましさは表面的な力強さに反して、精神の脆(もろ)さを隠しているのだと、透視するよう習慣づけてみましょう。「自分は、本当は、立派なんだぞ!」と言い張っている、自信のない子どものようなものなのです。

===== 以上、引用終わり =====

とはいっても、モンスターが直接、心のお城の中に攻め入ってくることはできません。
外からどんなに攻められようとも、心中に潜む「内敵」が城の中に火を放たなければ、お城はまったく平穏無事です。

===== 以下、本文より引用 =====

では、押しつけがましい人が攻めよせてきたときに、彼らに呼応して騒ぎ出し、みすみす彼らのことを何度も思い出して苦しめさせようとする内敵とは、何者でしょうか。

やたらと否定されダメ出しされるとき、「許さない!」「傷ついた!」と騒ぐ、お城の中にいる問題児たち。
この子たちは、「肯定されたい」「そうだね、とうなずいてほしい」と甘えており、「分かってほしい」と叫んでいるのです。叫んで、お城に火をつけて回っている。
ですからそんなときは、城の外にいる相手のことなど、放っておくのが適切です。それより早く、このお城の中の状況を、理解するのが優先事項なのです。

つまり、「ああ、実はこの人から肯定されたがっているのだな」「もっと丁重に扱ってほしいと、甘えているのだな」と理解して、お城の中で騒いでいる問題児を優しく、受け止めてあげましょう。
そうしましたら、その子たちも理解されたことで泣き止んで、大人しくなるはずですから。

意識がお城の外の他人を非難してばかりで「何故、自分は腹が立っていたのか」に無自覚であるうちは、心の内に霧がかかったようになり、モヤモヤとして、とらわれがちです。
ところが、「なーんだ、こんな理由で腹を立ててたんだ、私」と腑(ふ)に落ちると、霧が晴れてサッパリしがちなものでもあるのですよ。

そんな調子で、押しつけがましくアドバイスや命令めいた物言いをされて腹が立つとしても、このお城の内側で騒ぐ問題児に、いちはやく気づくことが大切です。

===== 以上、引用終わり =====

自分の心の中にもある「押しつけがましさ」が、外からの攻撃に反応してしまうために、ネガティブな感情が湧き起こるということです。

目次

  • 第1章 支配欲モンスター
  • 第2章 承認欲求モンスター
  • 第3章 念が強すぎるモンスター
  • 第4章 略奪者モンスター
  • 第5章 誤解魔モンスター
  • 第6章 偽善者モンスター
  • 第7章 侵略者モンスター

一言コメント

無意識に潜むネガティブな思考や感情をあぶり出し、心を浄化していく。
そのノウハウを語るのに、お釈迦様の教えを実践されている小池さんは、まさに適任です。
生きにくい世の中を、自分らしく健やかに生きていきたい。
そう願うすべての人の“人生の羅針盤”となる珠玉の一冊です。

注目の文章ピックアップ

・どんなやっかいな人でも、あなたがその人をお城の中に侵入させてあげるからやっかいなことになるだけです。

・腹を立てさえしなければ、相手のことを思い出すこともなくなりますし、思い出さなければ、この城からいなくなってくれるのです。

・このような「略奪者さん」の特徴としては、「欲しい、欲しい」と望まんばかりで人に対して純粋な愛情を与える心が欠けているのですが、なぜ愛情を与えたり労力を無償で与えたりできないかと申しますと、心が餓えているからです。

・相手がたとえ、外見が好みでお近づきになりたくても、能力が高くて憧れを感じても、その人が「略奪者さん」ならば、その人に気に入られようとしてあれこれと相手の望みを満たそうとしないでください。

・相手に過大な執着を生じさせないように、たまに望みどおりにしますよ、くらいの距離感にしておくのが、無難です。

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やっかいな人を自分のお城に入れない方法 小池 龍之介

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