ヒマラヤ大聖者のマインドフルネス
- 著者:相川 圭子
- 出版:幻冬舎
- 発行:2017年3月10日
- 価格:1,100円+税
- 頁数:221ページ
- 評者:宮内健一
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
著者は、インドに2000万人いる修行者たちの最高峰であるシッダーマスター(究極の悟りを得た人)に女性として初めて認定されました。
5000年の伝統を持つヒマラヤ秘教の正当な継承者であり、現在、世界で活動している2人のシッダーマスターの一人として、普通の日本人に「ヒマラヤ瞑想」を伝える為に、本書「ヒマラヤ大聖者のマインドフルネス」を執筆しました。
本書は「本当の自分とは誰」という問いに始まり、「ヒマラヤ瞑想の体験」で終わっています。そして、著者は、この体験が読者にとっての終着点ではなく次なるステージへの出発点だと考えています。
ヒマラヤ秘教は仏教の源流と目されていますが、その内容を言葉で伝えるにも限界が有り、理解するためには、ある程度の体験が必要となります。
その秘教を著者は、現代の普通の日本人が理解し活用できるように、日常で遭遇する場面で普通の考え方と対比する形で提示しています。
この違いに気付くことにより、自分の人生が変わることに繋がっていると教えています。
まず、本当の自分は魂であり、心はその外側にあることを明らかにしています。
心には善悪の両側面があるので、自分が心をコントロールする必要があるにも関わらず、
多くの人が心の奴隷になっていることを指摘しています。
例え、自分の心に「何も感じるな考えるな」と命令しても心は様々に彷徨うでしょう。
つまり、普通の人は自分で自分の心をコントロールできていないのです。
魂が、その根本と繋がることにより、精神的にも肉体的にも安定するのです。
これがヒマラヤ瞑想の考え方です。
また、人には様々な願望が有りますが、以下のように、それ自体は良いことだと説いています。
願望は、その人に固有のカルマ(業)に由来するものであり、その願いを叶えることが人生の目的です。
その際に「他者との比較をせず、自分に与えられたものに感謝すること」、
「今、目の前にあることを一生懸命にやること」、「他者からの評価を気にしないこと」が重要であり、修行になるのです。
更に、自分の欠点に気づいた場合、自分を責めたり分析する必要は皆無であり、
純粋な意識(魂)で見つめるだけで、何もしなくて放っておくだけで、人は必ず成長するのです。
途中でヒマラヤ瞑想を実践するための呼吸法や姿勢に関するワンポイント・アドバイスがあり、最後には、誰もが実践できる簡素な瞑想の方法が明記されています。
これを実践することにより、本書の内容を自分の生活に取り入れて、マインドフルな生活に変えることができます。
巻末には、他の著者や著者の公式ホームページも記載されており、次の段階に進むことが願われています。
目次
- はじめに
- 第1章 本当の自分を覚醒させる
- 第2章 心のとらわれを外し、悩みを手放す
- 第3章 すべては学びである
- 第4章 「ヒマラヤ瞑想」で健康体質になる
- 第5章 瞑想的に生きる
- 第6章 「今、ここにいる」プラクティス~ヒマラヤ瞑想体験~
- おわりに
一言コメント
ヒマラヤ瞑想の修行というと、ヨガとか座禅を組むことを連想していましたが、本書では、意外なことに、視点を変えることが修行になるということを教えてもらいました。
一つ一つの「気付き」は簡単なことですが、これを継続していくことが重要であり、それにより、マインドフルな生活ができるのだと感じました。
注目の文章ピックアップ
瞑想とヨガを行うと、肉体、感情、精神が調和されます。
それがヒマラヤの叡智です。
これによって、すべての人が自分のエネルギーの源、みんなの中にある創造の源を目覚めさせ、愛と平和と調和を手にすることができます
あなたの命には意味がある。魂の訴えに耳を傾けて精一杯生きていこう。
負の感情を抱くことは自分自身を傷つける行為。
「自分は自分」そう思うだけで人生はぐっと楽になる。
どんな仕事も必ず誰かの助けとなる。
まずは目の前のことに感謝して、無心で精一杯取り組みましょう。
たとえ人が嫌がる仕事でも真摯に向き合いましょう。
そうすれば、あなたが頭であれこれ考えなくても、自然と道は開けます。
あなたにとって必要な良いほうに向かいます。
目の前の仕事に無心で取り組めばそれは修業となる。
暗い人の周囲は暗くなり、明るい人の周囲は明るくなる。
お金は「手に入れる」のではなく「入ってくる」もの
お金への執着を手放し愛をシェアすればお金は自然と「入ってくる」。
本当の意味で自分と向き合い、成長するために大切なのは、分析ではなく、相手を許し自分を許すこと、自分を信じ愛することです。
そして心を離して気づきを深めます。
あるがままの自分を受け入れることです。
世間の価値観ではなく、自分の命の声に耳を傾けましょう。
競争する必要はありません。あなたが持っているものを生かせばいいのです。
そこに学びがあります。
大いなる存在にサレンダーしましょう。