“落ち込みやすい自分”が劇的に変わる本「嫌われたかも」「私がいけないんだ」「なにかと不安になる」
- 著者:Joe
- 出版:大和出版
- 発行:2022年1月31日
- 価格:1,500円+税
- 頁数:189ページ
- 評者:宮村 凌
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
本書は、モラハラ対策カウンセラーとして個人カウンセラーや講演、多くの書籍出版などで活躍するJoe氏が、不安や落ち込みを解消するための実践的なメソッドを教えてくれる一冊です。読了するころには、落ち込みやすいあなたの考え方や環境が劇的に変化することでしょう。
<<なぜ生きづらさを感じるのか>>
「人に嫌われた」「失敗した」と思ったとき、自分ばかりを責めて落ち込んだり不安を感じたりすると生きづらさを感じてしまいます。では、なぜこのようなことで生きづらさを感じてしまうのでしょうか。それは、自分の価値や物事の判断を自分以外の誰かが作った指標に委ねているからなのです。たとえば「常識」や「他人の目」を軸に自分の行動を評価すれば、「ダメかもしれない」「嫌われるかもしれない」と感じます。それは、他人の軸からずれていることが不安だからなのです。
<<「自分の小さな世界」が心の拠り所になる>>
このような不安や落ち込みを感じたときでもあっという間にダメージを克服して、立ち直る方法があります。それは「自分の小さな世界」を整えることです。「自分の小さな世界」は、「自分の心の拠り所」になります。人は、自分が管理できる許容範囲の中で生きれば心が安定し、人生をコントロールできるようになるのです。そして、自分の人生をコントロールできていれば、生きるモチベーションが上がります。これは心理学の研究結果として出ている結論です。では、「自分の小さな世界」とは何なのでしょうか。それは、あなたがやることの範囲、あなたの生活レベル、あなたの仕事量など、身の回りにあるものすべてを「あなたがコントロールできるレベル」にするということです。
<<「自分の小さな世界」とは>>
「自分の小さな世界」は、ボクシングをイメージするとわかりやすいかもしれません。ボクシング選手も人間ですので、体格差があります。もしボクシングが無差別級のみであれば、比較的体の小さな選手のほとんどが体の大きな選手に負けてしまうでしょう。体格の不利を努力で補うことは困難だからです。しかし、ボクシングにはヘビー級やミドル級、フェザー級やライト級など、それぞれの選手の体格にあった階級に別れています。だからこそ、体格が違う選手たちでも、各階級で「自分を肯定できる世界」が作れるのです。実は、私たちが生きる日常の世界も同じです。同じ努力をしてもみんなが同じ能力をつけられるわけではありません。みんなが同じ性格になるわけではないのです。だからこそ、自分が戦うべき範囲を整え、自分が戦う場所、自分を肯定できる場所を作るのです。自分が快適に過ごせるエリアを作ること、それが「自分の小さな世界」を持つということなのです。
<<他人との比較に苦しむことはない>>
フェザー級のチャンピオンが、ヘビー級のチャンピオンと自分を比較して落ち込むことはないでしょう。なぜなら、自分もフェザー級という世界のチャンピオンだからです。不安や落ち込みは、他人との比較によって生まれる感情です。しかし、「自分の小さな世界」を持つ人は、外の世界に住む他人と自分を比較する必要はありません。この「自分の小さな世界」を持つことの意味がわかれば、他人と比較して不安になることも、落ち込む必要がないということも理解できるのではないでしょうか。
目次
- その生きづらさから抜け出す方法、教えます はじめに
- PART1 基本編 これ以上、自分を責めないために知っておくこと
- PART2 応用編 何があっても、振り回されない自分になる
- PART3 実践編 これでも、いつだって揺るがない!
- 感情という「赤ちゃん」を喜ばせよう おわりに
一言コメント
人との関わりや人生において、誰もが不安を感じることはあるでしょう。しかし、その原因が理解して、実践的な対処方法が書かれた本書は、あなたの心を“今すぐ”に開放してくれるはずです。日々の生活で辛さや不安を感じている方は、この一冊で劇的に人生が変わるかもしれません。
注目の文章ピックアップ
・「自分の小さな世界」を持っている、というのは、言い方を換えると「自分の心を拠り所にして生きられる」ということです。
・心理学の研究で、さんざん言われていることですが、人間は「自分の人生を、自分でコントロールできている」と感じられると、生きるモチベーションが上がります。
・あなたの「実力」を大きくするのではなく、とりあえず、あなたの「人生」を小さくすれば、あなたは生きやすくなります。
・人間が、将来について抱える不安の多くは、「私は、今の生活レベルを、ずっと維持できるだろうか?」「いつか失ってしまうのではないか?」という種類の不安です。
・あるいは、もっと単純に、「自分ではできて当たり前のことなのに、なぜかほかの人たちはできなくて、見ていてイライラすること」を探してみましょう。それがあなたの特技です。
・常に自分の中に、温度計と湿度計のような感じで、この「本質的な価値」と「社会的な価値」という2本の「自分の価値」の基準を持つようにし、お互いに連動せずに、別々に動いているイメージをしてください。