スピリチュアルブログ版ダイジェスト

たましいの地図‐あなたの運命をひらくは、一般社団法人日本スピリチュアリズム協会代表理事であり、１５年間に渡る個人カウンセリングの経験を持つ江原啓之さんが、負の感情の分析と改善法をスピリチュアルな視点で解りやすく説かれている書籍です。

本書の構成としては、たましいを成長させるための１７個のソウル・リフティングを主とし、著者のこれまでのカウンセリング経験や人との出会いを基に、深い分析力と豊かな知識で本当の幸せとは何なのか、また、どういった人が不幸になりやすいのかを教えてくれます。

《自分の思い癖を手放す必要がある》

著者は、人生を好転させるためには、何よりもまず、自分の思い癖を手放す必要があると言っています。
被害妄想や自己否定などの負の感情は、時として人間関係の壁を作っていたり、一歩前へ踏み出す事を躊躇わせてしまいます。人がそうした感情を抱くのは何故なのでしょうか？
本書では、負の感情に対する分析、改善法が説かれていますが、著者は、まずは自己を分析し自分という素材を把握したうえで、負の感情を手放すことが大切だと言っています。
自分という素材を知らずに、複雑な味付けをしたところでおいしい料理はできないからだそうです。

《ネガティブな感情に向き合い、プラスに変えてゆく》

著者は次のように述べています。
マニュアルのように「こうすればいい」という一辺倒の答えはそもそもありません。ただ逃げずに向き合い、自分なりに問題を分析できるようになれば、あなた自身の力で運命を築き上げていくことができるのです。
自分自身で原因を分析せずに愚痴を言い続けても、問題は解決しません。
自分の行動の動機を振り返ることで、現状についてよりクリアに見えてくることもあるそうです。

例えば、「こんなはずではなかった」と落胆する事は誰にでもある経験です。
けれど、その失望感に支配されすぎて自暴自棄になったり、絶対に許すものかと意地になったりしてはいませんか。と著者は問いかけます。
本書に夫の浮気が発覚した女性の話がありました。
彼女は夫に対して「もっと誠実であるべき」などと言い続けました。
しばらくした頃夫は言いました。「いつだって君は正しいよ。でも僕はそんな君と暮らすのが窮屈なんだ。」と。
そこで彼女は、自分は思い通りにならないことに腹を立てているだけであり、そうした愛に欠けた自分の行動が夫にストレスを与え、浮気の原因を生んでしまったのではないかと自分を省みたそうです。

この例えは、自分の狭い価値観の中で他者を無理矢理従わせれば、相手を追い詰めてしまうという事に気づかせてくれます。
落胆の原因は「こうあるべきだ」と相手に期待をかけるから。人生は思うようにいかないものだと悟りましょう。と著者は言っています。

《自立心をもって生きる》

自己を分析することで、様々な負の感情の奥に潜む甘えや打算的な感情などに気づき、さらにそこにある物質主義的価値観や依存心などが浮き彫りになります。
あらゆる負の感情は依存心から生まれていると著者は言います。経済の豊かさに伴い、心よりも物質を重んじるようになった現代社会では依存する人が増えたそうです。

著者は、誰かが与えてくれる幸せは幻想であり、人は精神的な幼さを捨て、自立心を養うことでのみ自分らしく生きる自由を手に入れることができると言います。

その他にも、身近にある負の感情に対する分析、改善法が解りやすく説かれています。著者の言葉をお借りすれば、「この世を生き抜くための人生哲学」です。ぜひ書籍でご確認ください。

目次

• はじめに
• 第１章　あなたの運命は変えられる
• 第２章　不幸になる人の法則１０
• 第３章　幸せに生きるための１０の心構え
• 第４章　女性の人生を好転させる８つの法則
• 特別付録　運命をひらく「銀札」

一言コメント

一つ一つの事例に対して、具体的に分析し、感情の奥に潜む原因までも追究しているので、とても説得力があり、腑に落ちる内容でした。
忙しさの中で大切な事を忘れてしまいがちですが、本書は話が細かく区切られているため、一冊通して読んだ後に、日々の感情に合わせて本を開く事もできると思います。

注目の文章ピックアップ

・誰の人生も、磨けば輝くダイヤモンドの原石です。

・宿命は変えられませんが、どんな生き方をするかという「運命」は無限に広がっているのです。

・不満が湧き起こる原因は他者にあるのではなく、良い方向に軌道修正できない自分にある。

・嫉妬心をプラスに好転できるか否かはあなた自身の受け止め方によって大きく変わってくるのです。

・打算というネガティブな観念に支配されていると、正しい判断ができなくなってしまいます。

・ネガティブな想念や欲望を潔く手放し、天に委ねてください。それは勇気のいることかもしれません。

・充実した人生に不可欠なのは、一つひとつの問題に対してしっかり腹をくくること。現実を受け入れ淡々と生きる強さがあれば、運命は必ず好転します。

・自分の人生から逃げず、真摯に向き合う覚悟があれば、とりかえしのつかないことなど一つもありません。

・いつ、いかなる時でも、自分の人生を切りひらくのは自分自身。たとえ失敗しても、自分の決めたことなら納得もできますし、結果をバネにして頑張ることもできるでしょう。