運命を知る
- 著者:江原 啓之
- 出版:PARCO出版
- 発行:2017年12月7日
- 価格:1,200円+税
- 頁数:271ページ
- 評者:立岡 仁史
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
本書で一貫して語られるのは、「運」とは何か? 「運を拓く」にはどうすれば良いか? ということです。前半部分では主に「運」というものがどのようなメカニズムで生じているかということについて解説しています。次に中盤部分では「運を拓く」ための具体的な実践方法を、そして後半部分ではよりパーソナライズした「運を拓く」実践方法を紹介しています。本書を通して読むことで、「運を拓く」ことができるようになるでしょう。
≪「運」とはいったい何なのか?≫
著者は、運を理解するためには運の定義を知る必要があると述べています。まず運には、「運ぶ運」と「運ばれる運」の2種類があるとしています。また「運ばれてくる運」は、「前世の因果により運ばれてくる運」と「家系の因果により運ばれてくる運」の2つに分けることができるとも言っています。こうした運の定義を理解することで、自分の人生で起きた幸運なこと、不運なことに対して、一喜一憂することなく、適切な対応ができるようになるのです。
≪「運を拓く」ための実践≫
「運を拓く」ためには、具体的にやらなくてはならない実践法があります。本書ではそれを3つのステップに分けて説明しています。第1ステップは「家系からの内観」で、自分の家系にどのような人がいるのかを振り返ることで、自分に課せられた問題を理解することができるというものです。第2ステップは「前世からの内観」で、自分自身を振り返ることで前世からの問題を理解し、それに対処するというものです。第3ステップは「パワーバランスを活かす」で、これは正と負のバランスをコントロールして運を拓くというものです。この負とは、努力のことを言います。
≪自分に合った「運を拓く」方法≫
「運を拓く」ための実践法は、必ずしもそのまますべての人に効果があるものではありません。より個人にパーソナライズした実践を行うことで、「運を拓く」確率を上げることができます。そのためには、自分にまつわる運の正体を明らかにすることが必要だと著者は言っています。本書では、離婚が多い、短命の家系、貧乏な家系など、具体的な事例をたくさん紹介しながら、運の正体を明かしていきます。
本書においては、こうした「運」について具体的な事例と具体的な実践法を紹介してくれる点が最も面白いところです。ダイジェストでは紹介しきれない「運」についての具体例については、ぜひ本書を実際に手に取って読んでみてください。
目次
- はじめに
- 第1章 運のメカニズム
- 第2章 運に恵まれないと思うあなたへ
- 第3章 運を拓くためにやらねばならないこと
- 第4章 あなたの運を拓く術を知る
- 付録1 実践! 書き込みシート
- 付録2 江原啓之自筆言霊・特製護符
一言コメント
「運」という概念を通して、仕事だけでなく、恋愛や病気などの人生で必ず悩むことについて道を示してくれる本でした。一見理解しにくい感じのする「運」ではありますが、具体的な事例や思考法、実践法を紹介していますので、すぐに毎日の生活に活かせる内容ばかりでした。人生の指南書としてもおすすめです。
注目の文章ピックアップ
・「運ぶ運」が現世側で自分の念力によって「運ぶ」現実的なものであるのに対し、「運ばれてくる運」は霊的世界の因果、因縁によって「運ばれてくる運」とイメージするとわかりやすいかもしれません。
・今までのたましいの歴史において、自分の短きところである短所は補い、長きところである長所は伸ばし、たましいをより磨こうと決意して生まれてきています。
・親戚や家族は、同じ学校で学ぶ生徒であり、ご先祖様はOBやOGと言えるでしょう。みんな似たようなテーマを学ぶために、この世で親戚や家族になり、ともに学んでいるのです。ですから運を通じて家系や家族にまつわる問題に直面するとしても、それはあなたが学ぶべきカリキュラム。
・運を拓くために重要なことは、「運ぶ運」「前世の因果により運ばれる運」「家系の因縁により運ばれる運」、この3つの運を整えることです。
・そして自分自身が、今の人生で何につまづいてきたのかを振り返ってください。そこには必ず同じ失敗があります。シチュエーションは違っても、根本的な原因は同じはずなのです。ついやってしまう思考の癖、生き方の癖が元にあるでしょう。それをよく分析してみましょう。
・人生には必要以上の悪いことも、よいことも起こりません。人生に起こることはすべてあなたにとって必要なこと。無駄はひとつもないのです。その経験と感動の積み重ねが、あなたのたましいを輝かせます。たましいの視点は極めて常識的です。理不尽や不条理は、そこにはありません。