大往生のコツ ほどよくわがままに生きる
笠原 文雄(2024/3/12)

大往生のコツ ほどよくわがままに生きる

  • 著者:笠原 文雄
  • 出版:アスコム
  • 発行:2024年3月12日
  • 価格:1,400円+税
  • 頁数:240ページ
  • 評者:宮村 凌
  • 編集:スピりんく 編集部

スピリチュアルブログ版ダイジェスト

本書は、医学博士であり、浄土真宗大谷派聖徳山伝法寺住職、日本財託ホスピス協会会長で小笠原内科・岐阜在宅ケアクリニック院長の小笠原文雄氏が、医師として約2,500人、僧侶として約500人の死を見つめた経験から、人生の終盤を幸せに過ごし、微笑んで最期を迎えるためのコツを教えてくれます。

<<我慢をしないで笑顔で長生き>>
年を取ると、血圧を気にして塩分を控えたり、お酒を控えたりと、健康のために食事に気をつける方が増えます。もちろん、健康を考えることは良いことですが、「あれもダメ」「これもダメ」と、日常生活で我慢を増やすことはストレスにつながり、逆に健康を害してしまうことがあります。
ストレスは交感神経を優位にし、血管が収縮して血液の通り道が狭くなるのです。たとえば、血液が固まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞など血管の中で血が固まる病気の人がストレス空間にいることは危険です。そのため、特にご高齢の方は、我慢をしないほうが笑顔で長生きできると思います。事実、我慢をしないことで元気を取り戻した方がたくさんいるのです。

<<100年時代の「ぴんぴんころり」>>
医療技術が進んだ人生100年時代の「ぴんぴんころり」は、かつての人生50年時代とは違います。たとえば病気があっても、なくなる直前までぴんぴんと元気に暮らして、苦しむことなくころりと亡くなる、そんな幸せな最期が迎えられるのです。
現代は緩和ケア技術が進んでいます。ですので、健康のために「~してはならない」「~すべきだ」と自分を縛り付けてストレスをためて病気を退けなくてもよいのです。健康でも病気でも希望を持って、笑って生きて笑って最期を迎えられるので安心してください。

<<「あくび体操」で血圧が安定する!>>
できるだけ健康に体を保つためには、良い生活習慣を身につけることも大切です。もちろん食生活を意識することも重要ですが、生活習慣に「あくび体操」で血管を広げて元気に長生きする方法も取り入れてみてください。あくび体操は、血圧を安定させて心臓への負担を減らすために、とても効果的です。
「あ~あ」とあくびをするとリラックスします。これが血管を広げて血圧を下げ、心臓への負担を減らすのです。次の方法で、あくび体操を実践しましょう。

① 両足を肩幅に開いて、背筋を伸ばして立ち、両手は力を抜いて下ろす。
② 両手を前からゆっくりと高く上げ、大きく胸いっぱいに空気を吸う。
➂ 口を大きく開けて「あ~あ」とあくびをするように声を出し、胸を張って両手を左右に下ろす。
④ ①~③をもう1回繰り返す。

あくび体操は1セット2回、1日3セット行うのが目安ですが、何回行ってもかまいません。ただし、食事中にむせやすい人は、空腹時に行うようにしましょう。
あくびで深く呼吸をすれば、自律神経の中の副交換神経が働き、血管が広がって血圧が低くなります。あくびで得られる効果はとても大きいのです。あくび体操でリラックス効果を得て、血圧を安定させることも、元気で長生きするコツのひとつです。

目次

  • はじめに
  • 第1章 我慢こそ、健康の大敵
  • 第2章 「ほどよくわがまま」になれる心構え
  • 第3章 笑顔で長生きするための生活習慣
  • 第4章 認知症を恐れなくていい
  • 第5章 おひとりさまでも幸せに旅立てる
  • 第6章 病院が「幸せな老後」を妨げる
  • 第7章 人生の再起を自宅で安らかに過ごす方法
  • おわりに

一言コメント

本書を読むと、「ほどよくわがままに生きる」ことが大切であること、そして大往生とはどのようなものなのかを理解できます。年を取ってたくさんの病を抱えても、短い余命だったとしても、そこからの生き方によってだれもが大往生できることを、満足して笑顔で“生きていける”ことを、その方法と共に教えていただきました。

注目の文章ピックアップ

・しかし私は、あれもダメ、これもダメという考え方はあまりいいことではないと思います。

・ストレスがたまって交感神経が優位になると、血管が収縮して血液の通り道が狭くなります。

・ですから、人生100年時代の「ぴんぴんころり」は、たとえ病気があっても、無くなる直前までぴんぴんと元気に暮らし、ころりと苦しむことなく亡くなる、幸せな最期だと思うのです。

・病気を退けようとして、「~してはならない」「~すべきだ」と自分を縛り付けると、ストレスがたまります。

・健康でも病気でも希望を持って、笑って生きて笑って死ねる。

・運動も、本人が好きなら続ければ効果がありますが、あまり体を動かすのが好きではないのに、無理に運動をするとかえってストレスを増やします。

・人間誰もが、生まれる「所」は選べませんが、死ぬ「処」は自分で選べます。

・おいしさがうれしさにつながって、私たちはホッとします。するとストレスが減り、血管が広がり、血もサラサラになり、血流がよくなります。

・あくび体操は、血圧を安定させて心臓への負担を減らすために、非常に効果的なのです。

・どんな形でもいい、誰に対してでもいいから「ありがとう」の気持ちを持てたら、清らかに旅立てます。

・健康でも病気でも、人間はどうせ死にます。ならば笑顔で楽しい方がいいし、人生を諦めずに生きがいを持って最期まで生き抜いたほうがいいのです。

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ほどよくわがままに生きる 笠原文雄

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