この世界の私をそこから見たら
CHIE のぶみ(2017/9/13)

 

この世界の私をそこから見たら

  • 著者:CHIE 絵:のぶみ
  • 出版:講談社
  • 発行:2017年9月13日
  • 価格:1,204円+税
  • 頁数:175ページ
  • 評者:宮内健一
  • 編集:スピりんく 編集部

スピリチュアルブログ版ダイジェスト

「スピリチュアル女子大生」として知られる「CHIE」さんが、この世での生活(仕事や恋愛などの人間関係)に疲れているかもしれない「あなた」のことを想い祈りながら書き綴ったものが本書「この世界の私をそこから見たら」です。

本書は、大学を卒業したものの就職した会社をやめてしまい彼氏にも振られてしまった若い女性が人生に疲れてしまった時に、幼いころから面倒を見てくれていた優しくて陽気で思慮深いおばあちゃんの霊と対話することにより、自分と周囲の環境を別の観点から見つめ直して、新たな気持ちで人生を再出発するお話です。

主人公は、自分が不幸のどん底にいると思っていますが、突然現れたおばあちゃんの霊にそれが単なる思い込みであると指摘され反発します。
しかし、霊との対話を通して、仕事も人間関係もお金の問題も見方を変えるだけで幸福にも不幸にもなることが出来るのであり、その選択権を握っているのは自分である可能性に気付かされます。

おばあちゃんの説明に半信半疑の主人公は、真実を求めておばあちゃんと共に霊の世界へと旅立ちます。
そこで、今までの人生からの学びを確認し、次の人生への準備をしている4人の魂と出会います。

その一人アイちゃんは、二十歳でストーカーに殺されて、霊の世界へ来ているのですが、その世界で様々な人生を送った人々と対話し、自分の過去の人生からの教訓を明確にした上で、次の新たな人生を選択して真っ新の状態から生まれることを決めています。

他の3人の魂からも話を聞き、「この世には悪も苦しみもない。私たちは何もない舞台の上で様々な経験を反映させて、自分という存在を作り上げているのだ」と気付きます。

その霊の世界での気付きを得て、元の世界に戻った主人公は、まず、疎遠であった母親に感謝の気持ちを伝えます。
更に会話を通して、子供時代には気付かなかった母親の事情を理解して和解します。

しかし、些細な出来事で、主人公は「この世はつらい!生きるのしんどい!」という態度に戻ってしまいますが、おばあちゃんにその思いを受け止めてもらったことに驚き、新たな気付きを得ます。
「自分はいつも先の見えない不安に襲われて、今この瞬間を必死で耐えて壁を乗り越えようと思って生きてきたが、自分の前には壁が存在しないのであり、その壁は単なる幻想にしか過ぎない。」

その気付きの後、主人公は、事故死した幼女に出会います。その母親が、事故の原因が自分にあると思い込み罪悪感と後悔で自己を責め続けている姿に同情し「あの世の観点を教える」ことになります。
そして、苦労しながらもおばあちゃんの助けを借りることなく、少女の思いを母親に伝えることに成功します。
その母親から感謝され、自分と先祖そして後孫のつながりを再認識し自分の価値を見直します。

本書を読了することにより、私たちは最初に自分自身に「あの世の観点を教える」ことが出来るようになるでしょう。
自分の人生の見方が変わると同時に人生そのものが変わるのを確認し、周囲の人々を助けることが出来るようになるでしょう。

目次

  • 第1章 あの世からの呼びかけ
  • 第2章 たましいからの呼びかけ
  • あとがき

一言コメント

仕事や人間関係に疲れて、何もかも嫌になってしまう時が人生には幾度かあるものです。その時には観点を切り替えることが必要不可欠です。本書では、若い女性を人生経験豊富で、あの世を知り尽くしたおばあちゃんがガイドとなり、別の視点から物事を見るチャンスを与えています。本書を通して誰もがその方法を学べます。

注目の文章ピックアップ

人間はね、みんなこの世に生まれる前に、育つ場所や時代、性別、どんなことを経験するか、死ぬタイミングまで全部自分で選んで生まれてきて、そのとおりに生きているんだよ。だから今、そこにいることも含めて、すべての願いが叶っている。不幸なことなんて何一つないんだよ

だから人生にたくさん疑問を抱えている人ほど生きる意味があるんだよ。みんな何か欠けを持っていて、その欠けを埋めるために生まれ変わって旅をしているんだよ。

そのとき私は自分の価値観だけで世界を見ていたことに気が付いた。人の数だけ、見えてくる世界も違う。

嫉妬というのはね、相手の中に自分が持っているものを見たときに感じるものだよ。自分がすでに持っているのに、持っていないと思ってそれを見ている。自分が持っていなければ相手の中に見ることはできないよ
誰かを見て怒りや焦りや競争心が出たときは、自分も同じ可能性を持っている

その出来事に自分がどんな意味を与えるかが、そこから自分がどんな影響を受けるのかを決めるんだよ

軸がしっかりしている人は自分のやりたいことが明確なんじゃなくて、自分のやりたくないことが明確にわかっている人なんだ。

ただ起きただけの出来事に対して不幸と決めつけているのは「あなた」だけなのかもしれません。別の視点から見たら実は見えていなかった幸せがあるはずです。本当はこの世界には悪も苦しみもなくて、つくり出しているのは全部自分なのです。

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この世界の私をそこから見たら CHIE のぶみ

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