「今、ここ」から未来が開ける!魂磨き開運
- 著者:かんちゃん住職
- 出版:KADOKAWA
- 発行:2023年11月17日
- 価格:1,400円+税
- 頁数:208ページ
- 評者:米田 嶺子
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
<<著者について>>
本書の著者である、富山県にある真成寺の副住職をお務めの谷川寛敬氏(愛称:かんちゃん住職)は「仏教は誰にでも平等」だという教えに惚れ込み、僧侶の道へ進まれた方です。社会がコロナパンデミックに陥り、人と人との関係性が希薄になってしまう中、日々の生き辛さを抱える方々へ自分に何かできる事はないかと考えた結果、Youtubeで自身の言葉を発信できる事にお気づきになり、現在ではチャンネル登録者数15万人!を抱える『かんちゃん住職』と呼ばれ愛されている、若き僧侶でもあります。
現代人には縁遠くなりがちな仏教を、謙虚にして驕らずにいる姿勢と親しみやすさから、多くの方に寄り添い仏教を通じて生き方を説くかんちゃん住職は、なんと29歳の最年少にして仏教の伝道師·布教師の認可を得た人物でもあります。
その他には、グリサポとやま(グリーフサポートとやま)の副代表でもあり、臨床カウンセラーも勤められるという、現代で働く人間として苦悩等も身近に感じられる経験を積まれる方でもあり、まさに此岸における仏教の布教師としてご活躍になっておられる方です。そんな仏教をこよなく愛する布教師が現代社会における様々な精神の在り方や生き抜き方を説いたものがこちらの「魂磨き開運」となります。
<<今、ここに生きるということ>>
“過去はここに存在せず、未来はいまだ訪れず。生きているのは今、一瞬”と説いたのは仏教を開いた仏陀の言葉です。本書のタイトルに「今、ここ」から未来がひらける!とあるのは、お釈迦様が与えてくれる”日々を生きる為の気づき”を説いた本だからです。
開運にも用いられている「運」という言葉に、多くの方は、しばし浮いたようなぼんやりした物を「運」と呼ぶのだと思っている部分があります。「運」は自分で掴むものであり、あちらから勝手に用意されるようなものではありません。
「因果応報」や「自業自得」、これらは仏教用語に当たります。
英語の諺には【Who spits against heaven, it falls in his face.】という言葉があり直訳すると、「天向かって唾を吐くと自分の顔にふりかかる」という意味を持ちます。この諺は因果応報でもあり自業自得でもある、と両者を兼ね備えた解りやすい言葉となっています。
言葉にすると、道理として当たり前である事でも、人は知らぬ間にうまく事が運ばなければ誰かを責めたり何かのせいにしたりしてしまうものです。そんな事では、魂は汚れいつまで経っても楽しくはなく、誰の得にもならないので意識的に変えて行きましょう、そうすればあなたは此岸における徳を積み、周りからの助けも多くよい人生となるはずです。と、かんちゃん住職は、そんな思いを込めて、誰にでもわかりやすく伝わるように本書を執筆なされました。
<<心機一転、即実践!>>
若年層や馴染みのない方にとって仏教や神道と言われると、大変小難しそうに感じますが、そこは流石の仏教の伝道師でもあるかんちゃん住職です!
本書の一番のポイントは【今日から自身が出来る事/しない方がよい事】が簡潔にまとめられている部分にあります。きちんと自分で考えられるよう、開運ワークという書き込みページも用意されており、前向きに自分自身と語り合えるような工夫を施してあるのが、こちらの「魂磨き開運」となります。
仏教の教えを基本として考え方や運を呼び寄せる生き方を説きつつ、だからと言って堅苦しく身構えてしまわないように環境哲学である風水を取り入れられ、自身に必要なソウルカラーやラッキーナンバーの出し方等、多岐に渡って描かれている部分が大変親しみやすく手に取りやすい一冊となっています。
方位やゾロ目について詳細に図解で述べられている部分もあり、心機一転歩み出したい時に手元にあれば、その日から実践する事が可能です。
その他、目を見張った部分では、なかなか語られる事のない通夜葬儀での不適切な行為等のマナーに言及しているのも本書のよい部分です。此岸での基本的な優しさを持てない人は周りを幸せにする事は出来ず、魂のレベルが下がってしまうので、注意を促して下さっています。
今日の生き方があなたの運を左右します。
魂を磨くために、美しいあなたでいるために、有り難いお言葉の数々にぜひ触れて下さい!
目次
- はじめ
- 序章
- 1章 運って何?
- 2章 今すぐできる超開運術
- 3章 さらに運気を上げるアクションと心の持ち方
- 4章 運も魂レベルも下がる罰当たり行為
- 開運ワーク①
- 開運ワーク➁
- 開運ワーク③
- おわりに
一言コメント
理解しているようでいて普段私達の使う言葉にどれ程の仏教用語があるのかを再認識出来て大変勉強になりました。つらい出来事があった時、物事にどう向き合うかを教えて下さる本書に優しく寄り添われ、とても暖かい気持ちになりました。道徳心が失われつつある現代社会においてこうした書籍は一筋の光でもあると感じます。
注目の文章ピックアップ
・同じ時代に命を授かった『宿命』の人と、様々な経験を通して『運命』の出会いにしていくのは、あなたの選択と行動次第ということになります。
・『運勢』を良くする方法は、前向きポジティブに生き生きとして、ニコニコ笑顔で、明るく物事に向かう気持ちを持つこと。
・幸運を引き寄せるのも、逆に悪運を引き寄せるのも、実は自分の心持ち一つで、「運」はいかようにも変わります。
・『徳』というのは、その時、その場で、自分にできる最善を尽くすことです。
・つまり、運気を上げるための鍵となるのは性格ではなく、”ポジティブな意識”ということなのです。
・仏教では、私達が行う振る舞いや行動には三通りあると説かれています。
これを【『身口意の三業(しんくいのさんごう)】と申します。
・この時、「他人責任論」であってはなりません。それではどこまでいっても本当の幸せを味わうことはできないと思います。
あくまで「自分責任論」で物事を捉えるようにいたしましょう。
・仏教で説かれる【因縁果の法則】が、「運」の正体と言えるのではないかと思います。
・人の気持ちを慮る時に運気は上がります。物を丁寧に扱う時に運気を上げることができます。
・「今、ここ」で、どんな選択をしているのか?
「今、ここ」で、何をしているのか?
それが一年後、十年後の、あなたの未来をつくる『運命』となります。