自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい 仕事・恋愛・人間関係の悩みがなくなる自己肯定感の高め方
- 著者:田中 よしこ
- 出版:株式会社 KADOKAWA
- 発行:2020年8月26日
- 価格:1,300円+税
- 頁数:221ページ
- 評者:井口 まどか
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
体はいたって健康、仕事も順調、親しい友人もいるのに、わけもなくイライラして幸せだと感じられない、心が満たされないといったことが起きるのはなぜでしょうか。
自分のことは自分がよく知っていると思い込みがちですが、自分の本当の感情を理解できていない人が少なくないと著者はいいます。
本書においては、著者は自分の気持ちがわからない状態を「ドロドロとした沼の中で必死にもがいている」とたとえて、その悩みの沼から抜け出す方法を具体的に伝えています。
《著者「田中よしこ」氏について》
著者である田中よしこ氏は、自身が自分の気持ちに向き合うことなく、心が満たされないまま、長い間生きづらさを抱えながら人と接してきた過去があります。
こうした経験から、本当の幸せとは何か、自分の本心とは何かなどを見つめ直し、カウンセリングやコーチングを受ける中で自分の本当の気持ちに気がついた著者は、自分という存在を肯定的に受け止められるようになりました。
以後、脳科学や心理学などを学び、「自分を本当に知ること」をメソッド化して、延べ7,000人以上にカウンセリングを実施し、自分らしさを手に入れ、自分で自分を幸せにするサポートを行っています。
カウンセリングや個人セッションのほか、セミナーや講演会の開催、執筆活動などを通じ、潜在意識を整え、本心と未来の理想の思考を引き出す方法を伝えるマインドトレーナーとして幅広く活躍しています。
《自分の本当の気持ちがわかると自己肯定感を高められる》
自分のことは自分がいちばんよく知っているはずなのに、何に悲しんでいるのか、何にイライラしているのか、何に幸せを感じるのかがわからないときは、単にわかったつもりになっているだけなのかもしれません。
自分の行動に納得がいかず、感情を理解できていない人が少なくないと、著者は本書の冒頭で述べています。
さらに、自分の気持ちがわからない状態は、前も見えない、浮き上がる水面も見えない、ドロドロとした沼の中で必死にもがいているのに似た状況だともいいます。
自分と向き合い、本当の気持ちや価値観を取り戻すには、そうした悩みの沼から抜け出すことが必要です。
沼から抜け出し、本当の気持ちを知ることで自分肯定感が高まり、人生が好転すると筆者は主張します。
本書では、仕事、お金、人間関係、恋愛などにおいて、多くの人が悩みがちな43の項目が沼にたとえられており、そこから抜け出す方法がわかりやすく解説されています。
《自分の気持ちがわからない“沼”の正体とは》
些細なことにいら立つ、うまく事が進んでいるのにむなしい、といったことが起こったとき、なぜそのような感情を抱くのかを理解できないのは、出口の見えない沼にはまっているのと同じ状態です。
自分の気持ちがわからない、ドロドロとした沼の正体は「恐怖」であると著者はいいます。
自分が本当にどう思っているかよりも、人から嫌われること、受け入れてもらえず孤独になることなどに不安をおぼえ、恐怖を大きくしているのは、ほかでもない自分自身です。
自分と向き合っているつもりでも、生きづらさを感じているならば、本心を正しく理解できていないと著者は主張します。
また、それに気づくことが重要であり、悩みの沼から抜け出す一歩につながるとも述べています。
本書は、自分の感情をていねいに見てあげることの大切さにあらためて気づかされる書籍です。
目次
- はじめに
- 第1章 あなたは「私」が好きですか?(自分編)
- 第2章 あなたの「価値の基準」は何ですか?(お金と時間編)
- 第3章 誰かに言われたことで悩んでいませんか?(人間関係編)
- 第4章 わがままに自由に生きてみませんか?(仕事編)
- 第5章 あなたは誰がいちばん好きですか?(恋愛・結婚編)
- おわりに
一言コメント
自分が何に幸せを感じるかがわからないと、心は延々と満たされません。本書には、さまざまな悩みの沼から抜け出すためのヒントがわかりやすく書かれています。自分の本当の感情と向き合うことの大切さを教えられる1冊です。
注目の文章ピックアップ
・自分の本当の気持ちがわかると、自分の存在を肯定的に受け止められるようになったのです。
・あなたの最大の味方は「私」と気づく
・他人軸で考えてしまう 沼から抜け出すと相手がどう思ったかではなく、「私がこう思っているだけだ」という、いいか・悪いかにとらわれない見方が自然と身につきます。
・「本質を見る目を持てる自分」になることがいちばんお得な人生になります。
・人は受け身でいるよりも、自分で動くほうが不安を解消できます。
・本音で言うから 相手に伝わる。本音を言った方ほうが人から信用される。自分が心にもないことを言っていたら、相手の言うことも信じられなくなってしまいますよね。
・自分の機嫌は自分がとる、他人の機嫌は尊重する。これだけでいいのです。
・「大切なものは増やす、不要なものは減らす」という視点で考える
・今自分がつらいと思っている生き方は、本当の自分の生き方とは違うということを認めてあげられる自分になりましょう。
・誰かに愛してもらうのではなく、私は自分で守る。私が自分を愛して幸せにする気持ちをいつも忘れないでくださいね。
・自分の気持ちがわからない沼の正体、それは「恐怖」です。