神さまの声をきくおみくじのヒミツ
- 著者:平野 多恵
- 出版:河出書房新社
- 発行:2017年12月30日
- 価格:1,200円+税
- 頁数:160ページ
- 評者:関 あけみ
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
『神さまの声をきくおみくじのヒミツ』は、成蹊大学文学部教授でおみくじ案内人の平野多恵さんがおみくじの世界の秘密を女性研究者の視点でわかりやすく解説している書籍です。
構成としては、おみくじの引き方から和歌の読み解き方、日本の歴史や信仰に根ざした文化に至るまで、おみくじの世界の秘密が5つの章で書かれています。
おみくじでいちばん大切なのは、「吉」や「凶」などの運勢ではなく、そこに書かれた和歌や漢詩であると著者は言います。なぜなら、それこそが、神仏のお告げでありメッセージであるからです。
おみくじに書かれた和歌や漢詩を読まなければ、それは神仏からのメッセージをきちんと受け取ったとはいえず、あまりにもったいないことなのです。
それでは、どのようにすれば、そのメッセージを読み解くことができるのでしょうか。
おみくじを引くには神社やお寺に参拝する必要がありますが、その際は自分が心地よいと感じるところがおすすめと著者は述べています。
自分の感性のアンテナにピンときたところがご縁のある神さま仏さまであり、「ここの神さま(仏さま)のメッセージをいただきたい」という思いを大切にしなくてはなりません。
そして、おみくじは自分の心を集中して神仏をお招きしてからいただくものなので、その神社やお寺に作法があればそのとおりにし、特に決まっていなければ、神仏に礼儀正しく話しかけるようにして心を込めて引くようにします。
今の自分の状況、これからの課題、悩んでいることなど、できるだけ具体的な内容を質問のかたちで心に浮かべてお願いをするのです。
大事なのは、おみくじを引く前に自分が何を祈り、何をたずねたいかをはっきりさせること。
おみくじは成績表ではないので、すべての項目を見る必要はありません。でも、自分の願い以外の項目で目に飛びこんでくることばがあれば、それは今のあなたに必要なメッセージ。感覚を集中して向き合うと、より深く内容を受けとめることができます。
また、吉凶はあくまで一つの目安です。吉凶に一喜一憂しないで、お告げの内容をじっくりと読んでみましょう。
そのお告げをしっかりと受け止めて自分の日常に活かすことができれば、おみくじは人生を応援してくれる頼もしい味方となります。
おみくじは何百年もの長いあいだ、たくさんの人びとの願いに答え続けてきました。おみくじを引くことは、神仏につながることであり、これまで脈々と続いてきた人間の祈りの文化につながることでもあります。
おみくじに示された神仏からのメッセージをしっかりと自分のものにすることで、未来をより豊かなものにしていけるのです。
なじみはあるけれど、実は知らないことも多い「おみくじ」の秘密についてわかりやすく解説された本書は、身近なスピリチュアルの入門書として最適な一冊と言えます。
イラストや図版も多数掲載、巻末には実際に使える「おみくじ帖」も付いていますので、ぜひ楽しんで読み、使ってみてください!
目次
- はじめに
- 第一章 神さまとつながるおみくじ
- 第二章 おみくじは神さまからのメッセージ
- 第三章 おみくじの読み方で人生が変わる
- 第四章 おみくじは時代を超えて
- 第五章 おみくじに出逢う
- おわりに
- おみくじ帖
- あとがき
- もっとおみくじについて知りたい人のために
一言コメント
おみくじの読み解き方について、女性研究者の視点でわかりやすく解説されています。
イラストや図版も多数掲載されており、巻末には実際に使える「おみくじ帖」も付いていますので、楽しんで使えるスピリチュアルの入門書となっています。
注目の文章ピックアップ
・おみくじは本来、神仏のお告げ。そこに書かれた和歌や漢詩こそが、そのお告げです。
・おみくじを読み解いて神さまのメッセージを受けとめることができたなら、そのことばは人生のアドバイスとなり、未来をひらくきっかけともなるでしょう。
・おみくじは自分の心を集中して神さま仏さまをお招きしてからいただくものなのです。
・おみくじで大事なのは、引く前に自分が何を祈り、何をたずねたいかをはっきりさせることです。
・おみくじは成績表ではありませんから、すべての項目を見る必要はありません。でも、自分の願い以外の項目で目に飛びこんでくることばがあれば、それは今のあなたに必要なメッセージです。
・吉凶は、あくまで神さま仏さまからのお告げの一つの目安。おみくじでいちばん大切なのは、そこに書かれた神さま仏さまのことばです。吉凶のラベルに一喜一憂しないで、お告げの内容をじっくり読んでみてください。
・おみくじは何百年もの長いあいだ、たくさんの人びとの願いに答え続けてきました。おみくじを引くというのは、神さま仏さまにつながることであり、これまで脈々とつづいてきた人間の祈りの文化につながることでもあるのです。