藍の書
辻麻里子(2019/3/3)

 

藍の書

  • 著者:辻麻里子
  • 出版:ナチュラルスピリット
  • 発行:2019年3月3日
  • 価格:2,400円+税
  • 頁数:422ページ
  • 評者:今井千咲子
  • 編集:スピりんく 編集部

スピリチュアルブログ版ダイジェスト

『藍(あお)の書』は、辻麻里子氏が、夢と現実の間を行き来しながら受けた、宇宙からのメッセージを綴った本です。

本書では辻氏が描いた「宇宙図形」と呼ばれる、多数の図形がカラーで掲載されています。円の中に青い線で描かれた図形は、マンダラを思わせるような、美しい出来栄えです。

著者の辻氏は、1964年横浜生まれ。幼少期の臨死体験以来、夢を記録するようになり、夢から宇宙に関する様々なメッセージを受け取るようになりました。2017年、宇宙へ帰っていきました。『藍(あお)の書』は、辻氏の未完の遺作です。

本書では、辻氏が『藍(あお)の書』の元となる『青の書』を書くようになった経緯が書かれています。

辻氏の夢の中には、臨死体験以降、白髪の老人がたびたび現れるようになりました。
老人は辻氏に「『青の書』を書け」と命じ、ある惑星の配置を見せます。その惑星の配置と同じ時に生まれた人物の名前を調べるようにと言いました。

目覚めてから、自分の生年月日と出生時刻をもとに、惑星の配置を調べたところ、辻氏自身の惑星の配置と、ぴったり一致しました。さらに、同じ惑星の配置である人物を調べたら、その中に心理学者のC・G・ユングがいました。

辻氏はちょうど、自身が携わった『数字のメソッド』のドイツ語版の監修に取り掛かっていました。ドイツ語版の翻訳を手掛けたEさんに連絡を取ったところ、Eさんは、チューリッヒのリートベルグ美術館で、夢の世界を研究した、C・G・ユングの『赤の書』の展示が行われていると教えてくれました。

辻氏はヨーロッパへと旅立ちます。行きの飛行機の中では、美しい図形が描かれた本のビジョンを見ました。

イギリスに向かった彼女は、ストーン・ヘンジやチャリスの井戸、トールの丘などの聖地を巡ります。その後、翻訳者のEさんとともに、スイスでの日々を満喫します。

スイスでは、ヒーラーのエマ・クンツが描いた抽象的な絵や、リートベルグ美術館でC・G・ユングの『赤の書』展を見学しました。

聖地を訪れた辻氏は、その場所からさまざまなエネルギーを感じました。また、行く先々で、不思議な出来事が起きたり、印象深い夢を見たりしました。
そうした出来事は、一本の道のようにつながり、心を暖めてくれるのでした。

旅の終わりに、辻氏は歓びと感謝を感じながら、行きの飛行機の中で見たビジョンを図形に表して描こうと決心。
「宇宙図形」に着手することになったのです。

辻氏は、東日本大震災を経験し「何かできることはないか」と考え続けていました。その答えの1つに、一人ひとりが「自分の中心軸の振動数をあげる」ことがあります。

宇宙図形は「宇宙創造の物語」を紡いでおり、「すべての意識の根底には原型となる宇宙の物語が存在している」ということに気づきました。

辻氏はこの本の中で、夢と現実の世界を行き来しながら「観察者」としての客観的な視点も忘れていません。
「宇宙図形」は、見ていると心が穏やかに整えられていくような、不思議な図形です。
彼女が遺したメッセージの数々を、ぜひ、あなたの心で受け止めてみて下さい。

目次

  • 『藍(あお)の書』の刊行にあたって エッカー順子(よりこ)
  • 第1章 原発事故後の世界
  • 第2章 『青の書』
  • 第3章 夢の架け橋
  • 第4章 夢さき案内人
  • 第5章 夢の領域はつながっている
  • 第6章 石の旅(ストーン・ヘンジ~スイスの旅 グランストンベリー篇)
  • 第7章 石の旅・植物の旅(スイス篇)
  • 第8章 宇宙図形
  • 第9章 誕生日に観る夢:1987
  • 第10章 誕生日の夢:2012(四半世紀後)[ほか6]
  • 付録1 宇宙図書館にある「数字の森」
  • 付録2 月別 スターゲートの香り&石
  • 突き抜けて行った人、辻麻里子氏(「解説」にかへて) 今井博樹

一言コメント

ヨーロッパへのスピリチュアルな旅を綴った紀行文が美しい。ユングゆかりの地であるスイスや、ストーン・ヘンジなどを巡るイギリスの紀行文は、不思議な出来事が次々と起こり、魅了されます。辻氏が描いた「宇宙図形」と呼ばれる精緻な図形は、見る者の心を捉えます。

注目の文章ピックアップ

・そう、願わくは今いる自分よりさらに悲惨な状況に陥っている自分を救出して、もっと中心に存在している本来の自分に合流しよう。

・お前は洗練されていない人間の感情に巻き込まれるために、わざわざ惑星地球に来たわけではない。低次の領域から立ち去り、観察者の視点に立って魂の仕事に専念することだ。

・皮肉なことに人が本当に守りたいものは、自分から一番遠くに離れているものだ。しかし目の前にいる、見知らぬ誰かのために、惜しげなく手を差し伸べるとき、結果的には遠くにいる大切なものも一緒に救うことができるのだよ。

・この図形と同じように、私たちの肉体も記憶も感情も刻々と色あせ、刻々と消えてゆくだろう。そして最後には何も見えなくなってしまう時がくるのだろうか。たとえ目には見えなくなってしまったとしても、そこにはかつて描いた軌道があり、一本一本の線は虚空に刻まれ、その軌跡を永遠に語ってくれるだろう。

・「目的や意味をも超えた向こう側へ辿り着くために」それは場所ではなく、どこか遠い所にあるのでもなく。今、この瞬間にそれはある。汝自身を知り、汝自身で在り続けること。

・私は、人間という経験をしている宇宙意識である。この大いなる存在は、宇宙が始まった瞬間から存在し、時空を超えて存在を続ける。

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