ワンネスの扉 心に魂のスペースを開くと宇宙がやってくる
- 著者:ジュリアン・シャムルワ
- 出版:株式会社 ナチュラルスピリット
- 発行:2019年5月5日
- 価格:1,500円+税
- 頁数:191ページ
- 編集:スピりんく 編集部
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
「ワンネス(ONENESS)」とは、単一性、同一性、調和などと訳される言葉です。ワンネス体験とは、愛・宇宙・自分の区別がなくなり、これらすべてが1つに融合した存在をハートで感じることだと筆者のジュリアン・シャムルワ氏は語っています。ワンネスを繰り返し体験することで、その深さに段階があることに気づいた筆者は、その感覚を具体的に本書で記しています。
《UFO目撃の体験からはじまったワンネス体験》
筆者のワンネス体験への扉が開いたのは、UFOをはじめて目撃したことがきっかけです。筆者はフランスで生まれ育ち、高校2年生のときにUFOを目撃して以来、目に見えない“気配”や宇宙人とのコミュニケーションが可能になりました。筆者によると、自分の中にもう1人の自分がいて、その自分が宇宙人と話せるというのです。もう1人の自分とは、すなわち「魂」であり、物質的な世界で生活する、この世の自分とは異なります。
しかし、この2人の自分の距離が近くなり、やがて両者を隔てるカーテンが開いたときにワンネスの体験がはじまったのです。体験とはいうものの、実はワンネスは脳で理解するものではありません。ハートで感じるもの、つまり魂の次元で解釈できる現象であると筆者はいいます。
筆者はこの体験を多くの人々と分かち合いたいと願い、本書を執筆しました。フランス語を翻訳したものではなく、筆者が独学で習得した日本語で直接書いた文章です。そのためか、本書に記された筆者からのメッセージが強く心に響きます。
《ワンネス体験にはステージがある》
ワンネス体験を重ねた筆者は、その体験の深さに段階があることに気づきました。ワンネスは幾層にもステージがあり、それぞれ感覚やビジョン、パターンが異なるのです。筆者によると、ワンネスのステージは5つあるといいます。ステージ1では、視覚の変化はないものの、生きているのは素晴らしいという感覚で胸がいっぱいになり、すべてのものが愛おしいと感じられるなど、不思議な気持ちになります。
最終段階であるステージ5では、意識のおもむくまま、宇宙のどこへでも移動が可能であると筆者は話します。とはいうものの、ここでは自分が宇宙と一体になった状態なので、実は移動せずとも、宇宙のどこでも見ることが可能です。地球上だけでなく、はるか遠くにある惑星に生まれた生命の存在、宇宙全体にいる意識を持った生命の活動を感じ取れるステージなのです。
どの段階においても、ワンネス体験の間は、私たちが認識している時間の概念は存在しないといいます。体験の長さが1分なのか1時間なのか、わからないのです。過去から未来へ進むという直線的な時間軸は、そこには存在しません。ワンネスにおいては、すべてが「今」になると筆者は語っています。
《「今」を大切にする》
ワンネスにおいて、過去、現在、未来という時間の概念はありません。生命の誕生と死が1つの瞬間として目の前に現れる、つまり、私たちがいうところの過去も未来も、すべてが1つになって「今」なのです。過去も未来も、実は私たち人間がつくり出したものにすぎないのです。この事象は、脳で考えても到底理解できるものではありません。ワンネスは、ハートで感じるものだからです。
ワンネスは愛に満ちた心地よい体験ですが、そればかりに夢中になり、過信するのは好ましくなく、私たちが現実ととらえている物質的世界とのバランスを保つことが重要だと筆者は主張しています。その方法は、物質的世界で地に足をつけてしっかりと現実を生きること、つまり「グラウンディング」です。「今」このときを大切にすることで、ゆらぎのない安定した自分でいられます。
目の前のことに注力し、忙しくなればなるほど、スピリチュアルな次元も活性化されていくと筆者は話します。ワンネスへの扉を開き、宇宙とつながる近道は、「今」を大切にすることなのです。
目次
- まえがき
- 1章 出遭い
- 2章 “訪れ”の変化
- 3章 2004年夏、パリ
- 4章 ワンネス
- 5章 ワンネスと日常世界
- 6章 エピローグ
- あとがき
一言コメント
過去や未来という時間軸、さらに意識の中に存在する自分自身でさえも、実は私たちの脳がつくり出した虚像にすぎないという内容に衝撃を受けます。本当の自分は宇宙そのものであり、物質的な次元を超えた魂なのです。本当に存在するのは「今」、このときだけであり、最も大切にするべき瞬間であることがわかる一冊です。
注目の文章ピックアップ
・過去と未来は僕たちがつくり出したものにすぎず、本当は「今」という躍動する宇宙しか存在していない。
・僕たち一人ひとりが創造者で、つくり出したいものを念じて宇宙へ送り、宇宙は鏡のようにそれを実体として映し返す。
・でも、これまでの観点で理解できないものに遭遇したら、それは体験の幅を広げるときであり、「魂」の出番なのだ。
・本当の「わたし」とは、肉体と脳を使いこなし、いま物質的な次元を体験している「私」を超えたものであり、それが「魂」なのだ。
・ワンネスの世界は多次元の多層構造になっており、そこには宇宙人やスピリット、霊といった目に見えないエネルギー体が存在する次元層も同時に存在している。
・言語にかぎらず、新しい世界に触れ、別の観点や見方を学ぶことは、多次元的な人生を形成していくためにとても有益だと思う。