煩悩リセット稽古帖
小池 龍之介(2009/1/20)

 

煩悩リセット稽古帖

  • 著者:小池 龍之介
  • 出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発行:2009年1月20日
  • 価格:1,440円円+税
  • 頁数:247ページ
  • 評者:増田 敏夫
  • 編集:スピりんく 編集部

スピリチュアルブログ版ダイジェスト

<<カルマとは?>>
人の心や煩悩を理解するには、長い人生経験を積まなければ見えてきません。
また、心の中に潜む不安、怒り、恐怖、嫉妬をコントロールすることはそう簡単ではありません。
外見は成熟した大人に見えても、中身はまだまだ大人になりきれていない子供が多いというのが現実です。
それは業(カルマ)が原因なのかもしれません。
業(カルマ)とは、因果応報の法則のことであり、良い行い、悪い行いにしろ、いずれ必ず自分に返ってくることを意味します。
この本の中では、業(カルマ)のことを「心の中に蓄えられたエネルギー」と表現しています。
この本は、業(カルマ)の他にも煩悩、三毒、慈悲、無我、無常、空、苦、戒、精進などの誰もが一度は聞いたことのある言葉を、わかりやすく4コマ漫画にしながら仏道心理分析のエッセンスをつかむことのできる本になっています。

<<カルマのエネルギーとは?>>
素敵な音楽や映画を味わった後は、心地よい余韻が心に残ります。
この後味のことを、新しい業(カルマ)のエネルギーと言います。
逆に人から嫌なことを言われたら、ネガティブな後味になります。
この心に残ったネガティブな感情は、すぐに消えることなく心に蓄積していきます。
このネガティブな感情が蓄積することにより、ポジティブな言葉を言おうとしてもネガティブな言い方になってしまいます。
ネガティブな業(カルマ)のエネルギーを断ち切れず、過去から蓄積していくと負のオーラを放つようになり、周囲の波長と少しずつずれていきます。
つまり、波長の低い人を引き寄せてしまうことにつながります。
「心は物質をつくる」と言われますが、ネガティブな感情を持ち続けることで、体内に有毒物質が生まれます。
まさに「病は気から」と言われていることがよくわかります。

<<十善戒とは?>>
心をコントロールさえできれば、ネガティブな業(カルマ)とは距離を置くことができます。
心をコントロールするためには、煩悩をいかにコントロールしていくかが鍵になります。
どのようにコントロールするかは、自分に確固たる揺るぎないルールを課すことです。
このルールは、「十善戒」と言い、下記の10項目を意識し行動に移すことで、負の煩悩が軽減されます。

①殺さない(人も虫も鳥も)
②己に与えられていないものを奪わない
③邪淫を犯さない
④事実に反することを言わない
⑤棘(とげ)のある言葉を使わない
⑥ネガティブな噂話をしない
⑦無駄話をしない
⑧欲望を薄める
➈不満の感情をつくらない
⑩心の因果法則を理解する

これらを日常の中で意識することです。
私たちの潜在意識には、今まで積み重ねられた感情、つまり煩悩エネルギーがたくさん蓄積されています。
煩悩エネルギーが蓄積されたまま生きていると、どうしても生きづらい世界になってしまいます。
煩悩リセット稽古帖を読むことで、蓄積されていた負の感情を軽減できる気づきの構成になっています。

目次

  • 第一章 煩悩レッスン
  • 第一節 瞋恚(怒り)の巻
  • 第二節 貧欲(欲望)の巻
  • 第三節 愚痴(迷妄)の巻
  • 第二章 煩悩コントロール
  • 第三章 悟りインストーラー
  • 付録 仏道超入門ミニ口座
  • 後書き

一言コメント

業(カルマ)という言葉を聞くと、難しいイメージを持つかもしれませんが、この本はわかりやすく伝えています。
今まで蓄積されているネガティブな業(カルマ)をどのようにしたらリセットできるのか、またどのようにしたら心を上手にコントロールできるのかなど、4コマ漫画にして楽しく学ぶことができる本です。

注目の文章ピックアップ

・業(カルマ)とは、「心の中に蓄えられたエネルギー」のことです。

・一つひとつの行為には潜在エネルギーが含まれていて、そのエネルギーが心へとフィードバックされ、次へと連鎖する力をもっているのです。

・欲望を強く持てば持つほど、やる気は損なわれていきます。

・心のコントロールをすること、それが仏道のスタートでありゴールです。

・煩悩を調教していくうえで、初心者にとって有効なのは、自らに、確固たる、揺らぎなきルールを課すことです。

・心なんて、無節操きわまりなくうつろってゆく諸行無常なしろものであります。

・自分、我というものは、ここに存在すると思い込んでいるだけで、ほんとうはそんなものは、どこにもない。すなわち「無我」、というのが、仏道の真髄中の真髄です。

・欲望や怒りに巻き込まれるとき、その心は物質を生み出します。

・悟ってしまいさえすれば、頭の中であれこれ余計なことを考えて、「自分」にこだわることがなくなりますから、日常がすこぶるハッピーになります。

・心なんて、諸行無常、次から次へと移ろっていく…ッ。一貫性もへったくれもあったものではありません。

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煩悩リセット稽古帖 小池 龍之介

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