最後にあなたを救う禅語
大愚 元勝(2020/9/26)

 

最後にあなたを救う禅語

  • 著者:大愚 元勝
  • 出版:扶桑社
  • 発行:2020年9月26日
  • 価格:1,400円+税
  • 頁数:311ページ
  • 評者:宮村 凌

スピリチュアルブログ版ダイジェスト

著者の大愚元勝氏は、佛心宗大叢山福厳寺の住職であり、慈光グループの会長も務める人物です。現在はYouTubeでお悩み相談番組として『大愚和尚の一問一答』が人気を博しています。そんな大愚元勝氏が、今を生きる私たちの「救い」になる禅語を、独自の言葉でわかりやすく伝えてくれます。禅語は、行き詰ったときの最後の救いになる言葉なのです。

<<行き詰ったときは「自分で気づく」ことが救いになる>>
なぜ「禅語」は世界に広がり、人々に注目されているのでしょうか。それは、私たちが生きる上での苦しみを手放すための言葉だからです。禅語を知ることで、行き詰ったときにも「自分で気づく」ことができ、モヤモヤをスッキリさせてくれます。

<<困難を打破>>
困難を打破するための言葉に『大愚』があります。これは、大バカ者こそが常識を突き破り自由に羽ばたけることを意味した禅語です。間違えないようにと見栄を張ることで人生を困難にしている人も多いのではないでしょうか。しかし、人が生きる上で、間違えたことがない人などいません。「大愚」は、間違うことは当たり前であり、本当は欲深いことや賢くないことを隠したりする必要はないことを知る、ということなのです。もし間違えたときには「ごめんなさい」という言葉で素直にあやまればよいので、見栄を張り続けて苦しむことはありません。
また、失敗しても「転んだときの起き上がり方」をひとつずつ身につけていきましょう。失敗を恐れる必要はないのです。失敗を糧にしてリカバリーの技を磨き、失敗後の振舞いを正せば、それが人間としての真の価値となります。これを教える禅語を『不倒』といいます。

<<成功を引き寄せる>>
成功を引き寄せる禅語に『無功徳』という言葉があります。これは、損得勘定を捨てて、見返りを求めない人が志を遂げていくという意味です。もともと「他人のために良いことをして良い結果を生む」という『功徳』という言葉がありますが、「あらかじめ何かの見返りを求めて良いことをする」という考え方で善行を行い、それを『功徳』と解釈している人もいます。この考え方こそが『無功徳』です。計算しながらの善行は、決して良い結果にならないことを心しておかなければなりません。これは、ビジネスや人間関係、日常生活にも結び付く考え方であり、成功を引き寄せる方法でもあるのです。

<<未来を幸せに導く>>
誰もが「未来を幸せに」と願うものです。そこで意識しておきたい禅語が『放下著』です。これは幸せになりたいのなら、得てきたものをまず捨てよという意味を持っています。禅の教えで最も大切なことは「執着を捨てる」ことです。これは、人生の中で得てきた過去の成功や地位などに対する執着が、人生を不自由にすることを説いています。もちろん、これまでの人生で肩書や富に恵まれていないという人もいるでしょう。しかし、そのような人にも『放下著』は当てはまります。それは「持っていない」と思う心も余計なものであり、手放し「ゼロ」にすることが大切だということも説いているからです。つまり、「持っている」という心も「持っていない」という心も、それを「ゼロ」にして心のキャパシティにスペースを作れば、何でも入れることができるようになる、ということなのです。

<<あなたを救う禅語>>
本書には上述を含め50の禅語が挙げられています。この禅語の中には、今あなたに必要な言葉があるでしょう。その禅語をひとつでも見つけられれば、きっと今のあなたを救ってくれるはずです。

目次

  • はじめに
  • 1章 困難を打破する言葉
  • 2章 自分を強く進化させる言葉
  • 3章 成句を引き寄せる言葉
  • 4章 日常を学びに変える言葉
  • 5章 人間関係を豊かにする言葉
  • 6章 未来を幸せに導く言葉
  • おわりに

一言コメント

本書には、「生きづらいと」感じているあなたの心を救ってくれる禅語が説かれています。50の禅語の中には、必ず心を軽くしてくれる、あるいはすぐに実践できる言葉が見つかるでしょう。「もうダメだ」と思ったとき、迷いに対する答えが欲しいときにぜひ読みたい一冊です。

注目の文章ピックアップ

・失敗を糧に自分の心を鍛え、リカバリーの技を磨いていくこと。

・この整理整頓という行為はまさに「禅」です。余計なものを極限まで削ぎ落すことによって、ものごとの本質を見極めようとする姿勢、それが禅です。

・妄想は、不安や恐れで心が波打っているときに、どんな人の心にも必ず湧きおこってくるものなのです。

・優先順位をつけて頭の中を冷静に整理することで、不安や迷いといった妄想を撃退でき、今やるべきことが明確になるのです。功徳は、もともと禅の言葉で、「他人のために良いことをしてよい結果を生む」という意味です。

・計算しながらの行いは「無功徳」であり、決して良い結果につながらないと心してください。

・「岐路には二つの道がある。安易な道と困難な道。安易な道は変化をもたらし、困難な道は進化をもたらす」

・つまり「挨拶」とは、相手の心の内にある真理への探究を推し量り、迫っていく行為なのです。

・方法は違っても、挨拶の「型」は、私はあなたの敵ではないことを態度で示し、争わないために作られた人間の知恵です。

・禅の教えの最も大切なこと、それは「執着を捨てる」ということです。

・禅師は、「持っていない」と思う心すら窮屈で余計なものだから、担いで持ち去れと言ったのです。

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最後にあなたを救う禅語 大愚 元勝

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