にほんの結界ふしぎ巡り
- 著者:桜井 識子
- 出版:宝島社
- 発行:2020年11月26日
- 価格:1,400円+税
- 頁数:255ページ
- 評者:宮村 凌
スピリチュアルブログ版ダイジェスト
著者の桜井識子氏は、神仏研究家であり文筆家です。霊能者の祖母と審神者の祖父を持ち、その影響から霊や神仏と深いつながりを持ちながら育った経緯があります。1,000社以上の神社仏閣を参拝し、その恩恵などを広く伝える人物です。桜井識子氏が自分の足で図形のパワーを検証する本書では、北斗七星や五芒星の形をなす神社を実際にまわり、各所で神様から聞いた図形の意味を伝えてくれます。
<<生まれながらにつながっている北斗七星>>
人間は、生まれながらにして北斗七星の7つの星のどれかとつながっていて、それは干支として根付いています。この北斗七星のひしゃく型は、平将門北斗七星や津軽北斗七星などとして神社が配置されているのです。私たち一人ひとりに関係の深い北斗七星の図形にはどのようなパワーがあるのでしょうか。
<<平将門北斗七星のごりやく>>
都内に配置されている平将門北斗七星は、鳥越神社、兜神社、平将門首塚、神田明神、筑土八幡神社、水稲荷神社、鎧神社の7か所です。地図上で見てみると、ひしゃくの水を溜める部分を鳥越神社・兜神社・平将門首塚・神田明神で形作られています。また、神田明神・筑土八幡神社・水稲荷神社・鎧神社が柄の部分を表しているのです。
<<スタンプラリープロジェクト>>
鳥越神社の本殿の男性の神様に「将門さんの北斗七星のひとつだということで取材に来た」旨を伝えたところ、7つの神社は北斗七星を意識したものではないことがわかりました。これは、どの神社の神様も同じ認識でした。空にある星の位置を地上に写しても、パワーが生まれることはないそうです。
そこで神様に提案したのは新しいプロジェクト「平将門北斗七星スタンプラリープロジェクト」。7つの神社を順序どおりにまわることでごりやくをいただけるプロジェクトに、神様は大賛成してくれました。今後、平将門北斗七星は、北斗七星として「形」にパワーはありませんが、7柱の神様が協力することでごりやくが得られることになりました。
<<津軽北斗七星は古代呪術>>
津軽北斗七星は、乳井神社、鹿島神社、岩木山神社、熊野奥輝神社、猿賀神社、浪岡八幡宮、大星神社の7つの神社で北斗七星を形に配列されたものです。結論として、この北斗七星は呪術を決行したものだということがわかりました。
平安初期の武将である坂上田村麻呂の腹心の家来が、蝦夷封じを行ったのです。これは、「蝦夷の人々が決起しないように、反乱を起こさないように、リーダーとなる人物が出てこないように、戦う気持ちを持たないように、蝦夷を出て都に向かってこないように」という本格的な呪術です。これは封じ込めの呪術を地面に描いたものであり、その7か所をまわることは“いいこと”ではないようです。
<<<昔の呪術の効力>>>
事実、津軽北斗七星を一筆書きでまわったのち、その地を離れようとすると足に謎の痛みを覚え、著者が東京に着いた頃には激痛でまともに歩けない状態でした。
大昔の呪術であっても、その効力を発揮する場合があるということです。見えない世界は見えないルールで動いていますので、軽い気持ちで体験することは避けた方がよいでしょう。しかし、津軽北斗七星を正式な順序で一筆書きにまわらなければ呪術の効果を受けることはありませんので、執拗に怖がることはありません。
目次
- はじめに
- 第1章 北斗七星の検証
- 第2章 五芒星の検証
- 第3章 ミステリースポットの検証
- 第4章 最新の神社情報
- おわりに
一言コメント
本書では、北斗七星や五芒星の形に結ばれた神社にどのようなパワーがあるのかを、著者が自らの足で検証しています。各地の「形」には、図形には本当にパワーがあるのか、そこでどのようなごりやくを得られるのか、著者の体験をもとに知ることができる非常に興味深い一冊だとえいます。
注目の文章ピックアップ
・人間は生まれながらにして、北斗七星の7つの星のどれかと結ばれている……という信仰もあります。
・この星々が地球からひしゃくに見えるからといって地上にその形を描いても……意味はないそうです。
・北斗七星としての形を浮き上がらせるためには、バラバラに参拝したのでは形になりませんから、一筆書きでまわります。
・蝦夷の人々が決起しないように、反乱を起こさないように、リーダーとなる人物が出てこないように、戦う気持ちを持たないように、そして、蝦夷を出て都に向かってこないように……という封じ込めの呪術だそうです。
・津軽北斗七星は田村麻呂さんの腹心が、自分の足で測って大地に刻んだ呪術です。
・正式な順序で一筆書きにまわらなければ呪いはふりかかってきませんから、怖がらなくても大丈夫です。
・見えない世界は見えない世界のルールで動いています。
・星の形(五芒星のように中に直線が描かれていないものです)は、世界中の古い壁画などに多く残されており、太古の時代は太陽として認識されていました。
・五芒星は特別な機能を持った図形でした。
・神仏が願掛けを叶える場合はそのあたりのことをしっかりと判断しますが、五芒星はただの形ですから、神仏と違って、いいことなのか、悪いことなのか、という判断をしないのです。
・大地に描いた五芒星にリンクするだけで十分すぎるごりやくがもらえるのです。