人生が輝きだす30+1の言葉
はせくら みゆき(2017/8/12)

人生輝きだす30+1の言葉

  • 著者:はせくら みゆき
  • 出版:株式会社ワニブックス
  • 発行:2017年8月12日
  • 価格:1,300円+税
  • 頁数:189ページ
  • 評者:伊佐山 学
  • 編集:スピりんく 編集部

スピリチュアルブログ版ダイジェスト

今回、この記事で紹介させていただくのは、はせくらみゆきさんの『人生が輝きだす30+1の言葉』。

この本には「ありがとう」、「おつかれさま」など、普段、生活のなかで何気なく使用している平凡な言葉に「想いを込める」方法について記されています。著者は、すべての日本語のなかでも日常的によく使い、だれでもなじみがある30+1個の言葉を取り上げ、そのひとつひとつを音素や言霊の観点から解説しているのです。

音素とは、それ以上は短くすることができない音の最小単位で、母音や子音を指す言葉。著者によると、日本語の音素は世界中の言葉の「翻訳コンニャク」の役割を果たすものなのだと言います。

つまり、「あ」の音は広がりや明るさがあったり、「ぱ」の音は勢いよく現れる感じだったりと、それぞれの音素から放たれる共通のイメージが存在しているということ。そして、そんな音素が、「規則的に、かつ体系的に」まとまっているのがあいうえおといった五十音なのだそう。

それでは、なぜこのようなイメージの共通性が見られるのでしょうか? それは、日本語が、人類発祥の頃、人間が集団として暮らしを営むなかで発し、やがて言葉へと進化していったその意味のない音声、「自然発生音」を基礎にして作られた言語だから。

著者は、島国であり、地勢的にも歴史的にもさまざまな幸運が重なった日本の言語である日本語では、表音文字的な「音のキャラクター」がそのままに残っているのだと語ります。そして著者は、この独自の理論にもとづいて、「ありがとう」に始まり「大好き」に終わる30+1の言葉を並べあげ、それぞれに詳細な解説を加えています。

さらに、巻末には「おとひめ50音イメージ言語&アート表」と題されたリストが付されています。これは、それぞれの音素のニュアンスを一覧表の形に仕上げた「おとひめカード」のダイジェスト版であり、この表を見ればひと目で「あ」から「ん」までの50音のイメージを言葉と図で把握することができます。

たとえば、「あ」は「感じる/開く/愛」、「て」は「発信/放射/照らし出す」などのイメージが広がる音なのです。この「おとひめカード」は、まさに著者自身が述べているように「音の解体新書」とも言えるものでしょう。本書を一読すれば、だれでも簡単に音素とそこに宿るカミサマの世界に入っていくことができるに違いありません。

目次

  • はじめに
  • そもそも言葉って何だろう?
  • 音素から見た言葉の意味
  • 自然発生音からできた日本語
  • 「おとひめカード」の誕生
  • 縄文人からの伝言?
  • 音素から見た世界の言葉
  • 言葉で人生に輝きを
  • 1 ありがとう
  • 2 おはようございます
  • 3 こんにちは さようなら
  • 4 こんばんは
  • 5 おやすみなさい
  • 6 お元気ですか おかげさまで
  • 7 もったいない
  • 8 おたがいさま
  • 9 わたし
  • 10 あなた [ほか 21]
  • おとひめ50音イメージ言語&アート表
  • あとがき

一言コメント

世界中の言葉の「翻訳コンニャク」ともなりえる、日本語の秘密について解き明かされたとても素晴らしい本です! 著者の語り口はきわめて柔らかく、丁寧で、わかりやすく、すらすらと言葉の世界に入っていけます。この本を一冊読めば、必ず音素と言霊についての理解が深まることでしょう。

注目の文章ピックアップ

・主語の言い方を変えるだけで、伝える表現が自然とととのい、まわりと調和していくことができるのです。それにこの豊富なバリエーション。日本語、おそるべし!

・そういえば、大ヒット映画『君の名は。』を海外配給するときに、苦労したのが、主語の表現方法だったそうです。心はそのままに、男女の身体が入れ替わってしまうあの物語は、オレとかオマエ、ボク、ワタシなど、最初に出てくるワンフレーズで、今どうなっているのか日本人なら予測がつきますが、英語なら、IとかYouで同じですものね(笑)。

・楽しいという言葉は、もともと「手伸(たの)し」から来ており、嬉しくて楽しくなると、手を伸ばして喜び舞うことから始まっています。これって、どことなく、阿波踊りとか、沖縄のカチャーシーのイメージが浮かんできますよね!

・「ひ」という言葉は、おひさまの日(陽)であり、いのちや魂といった意味の「霊(ひ)」でもあります。もともと、本源的なところから強く輝いている働きに対して、先人たちは「ひ」という音を発したのだと考えられます。

・そして「と」は、止まるとか統合していくという働きの音なので、組み合わせると、「本源から出たエネルギー(働き)が、そこに止め置かれているもの、あるいは統合されているもの」が「ひと」であると考えられていたことがわかります。

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人生が輝きだす30+1の言葉 はせくらみゆき

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